「40代から筋トレを始めたい。でも、何から手をつければいいのか分からない」。調べると「おすすめメニュー10選」はいくらでも出てきますが、まず何を、次に何をやるのかという順番を書いたものは、あまり見つかりません。
先に結論を書きます。順番はこの6つです。①何のためにやるかをはっきりさせる → ②下半身の1種目から始める → ③時間の枠を決める → ④上半身を足す → ⑤有酸素運動を組み合わせる → ⑥止まった日の戻り方を知っておく。この記事は、その地図です。
書いているのは、健康や運動の資格を持たない一般の40代です。僕(りきanela・47歳)は43歳で人生最高体重を迎え、そこから1年5ヶ月で12kg減量しました。その後リバウンドし、腰痛とテニス肘、そして生活の変化が重なって、筋トレそのものを9ヶ月やめました。いまはまた、平日の朝に30分の筋トレを続けています。始め方も、やめ方も、戻り方も、ひととおり経験しました。
読み終えるころには、今日やる1種目と、次に読む1記事が決まっているはずです。各ステップの詳しいやり方は専用の記事に用意してあるので、この地図で全体像をつかんでから、必要な場所へ進んでください。

筋トレを始める人と、一度やめた人で読む順番が変わります
筋トレの記事を探している方は、だいたい2種類に分かれます。
- これから始める方:STEP1から順に読んでください。上から一段ずつで大丈夫です。
- 一度やめてしまって、戻りたい方:先にSTEP6を読んでから、STEP1に戻ってきてください。
やめた経験があると、「また続かないかもしれない」という気持ちが先に来ることがあります。その状態で新しいメニューを覚えようとすると、始める前から重たくなります。順番を逆にして、戻り方を先に知っておくほうが、始めるハードルは下がりやすくなります。
なお、この記事は特定のやり方を勧めるものではありません。体調や持病によって、向き不向きははっきり分かれます。痛みがあるとき、持病があるときは、始める前に医師などの専門家にご相談ください。
STEP1:筋トレに何を期待するかを、先に決めておく
最初にやることは、種目選びではありません。筋トレに何を期待するかを、先に現実に合わせておくことです。
理由は、ここがずれたまま始めると、体重計の数字で心が折れるからです。「筋トレをすれば代謝が上がって痩せる」という説明はよく見かけます。
ただ、筋肉が少し増えたときに基礎代謝(じっとしていても使うカロリー)がどれくらい増えるのかを、実際に計算してみました。上がり幅は、思っていたほど大きくありません。「筋トレ=体重が減る」という期待だけで始めると、1ヶ月で答え合わせをして、やめてしまいがちです。
では40代以上が筋トレをやる意味はどこにあるのか。1つは、これから減っていくものを守ることです。
公益財団法人 長寿科学振興財団の健康長寿ネットは、サルコペニアについて「加齢による筋肉量の減少および筋力の低下のこと」と説明しています。筋肉については「40歳頃から少しずつ減少し、70歳を超えた頃から自覚症状を認めるようになります」としています。つまり、何もしなければ減るほうへ進みやすくなります。
僕自身は今、体重が戻っている最中です。それでも筋トレをやめないのは、40代になって一番守りたいのが筋肉だからです。減らすことより、残すこと。ここが40代以上の入口だと思っています。
期待値を「体重を落とす道具」ではなく「減る側を押さえる手段」に置き直す。これがSTEP1です。基礎代謝の数字を実際に計算してみた話に、その根拠をまとめています。
STEP2:下半身の1種目から始める
最初にやる種目を1つだけ選ぶなら、下半身から選ぶのが進めやすいです。僕が選んだのはバックランジ(片脚を後ろに引いて腰を落とす動き)でした。
理由は3つあります。
- 下半身には、体の中でも大きい筋肉が集まっている
- 特別な道具がなくても始められる。僕も休日は家でやっています
- 種目が1つなら、覚えることが少なくて忘れにくい
僕はいまも、バックランジだけは毎日20回×3セットやっています。平日は職場のジム、休日は家です。ただしこれは僕の形で、これから始める方に毎日を勧めるものではありません。週に何日やるかは、このすぐあとの章にまとめました。
ただし、動きに慣れないうちは膝や腰に負担がかかります。痛みが出たらその場でやめてください。痛みが続く場合は、回数を減らす前に医療機関にご相談ください。フォームは文章と写真だけでは伝わりきらない部分があります。
まず1種目を決めて、今日それをやる。これがSTEP2です。やり方の手順と、やってはいけない動きは、バックランジのやり方と安全のポイントに書きました。STEP1で触れた基礎代謝の計算も、同じ記事の中にあります。
40代からの筋トレは週に何日? 推奨は「週2〜3日と休息日」
ここで、頻度の話を先に挟みます。これから始める方には、週2〜3日をおすすめします。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の情報シート「筋力トレーニングについて」は、「成人及び高齢者に、筋トレを週2〜3日実施することを推奨する」としています。
同じ資料には、「筋トレを実施する際はしっかりと休むことも重要ですので、休息日を念頭に置いた『週2〜3日』を推奨値として設定しました」とも書かれています。休息日は、サボりではなく推奨値の一部だということです。
さらにこの資料は、「週当たりの実施時間が長くなりすぎると逆効果である可能性も示されています」とも書いています。多くやれば早く結果が出る、という話ではありません。
ここで正直に書いておきます。僕自身は、平日は毎朝30分、職場のジムで筋トレをしています。バックランジは休日も家でやっています。つまり、ほぼ毎日です。国が推奨する週2〜3日とは違う形です。
その30分を、曜日で部位を分けずに全身をひととおり回す形(全身法)にしているのには、理由が2つあります。1つは、平日の朝30分という短い時間に合うからです。もう1つは、40代になって、一部位を追い込むとケガをしやすいからです。1日で1か所を追い込むのではなく、全身を薄く広く回しています。
ただし、これは「毎日でも大丈夫」という意味ではありません。僕の生活と、僕の体に合わせて出てきた形です。この記事を読んで始める方に勧める形ではありません。まずは週2〜3日から。休んだ日は、休息日という予定どおりの日だと考えてください。
STEP3:種目数ではなく「時間の枠」を先に決める

3つ目にやることは、1回にかける時間を決めてしまうことです。種目数から決めると、たいてい増えていきます。時間から決めると、入る量は自動的に決まります。
理由は、続かなくなる原因として時間の問題が大きいからです。朝が忙しい日、帰りが遅い日に、45分のメニューは実行できません。実行できない日が続くと、そのまま止まりやすくなります。先に「毎回これだけ」と枠を決めておくと、忙しい日でも枠のほうは崩れにくくなります。
僕の枠は30分です。その30分で、17種目をひととおり回しています。基本は1セットずつで、3セットやるのは下半身の3種目(バックランジ・ワイドスクワット・ブルガリアンスクワット)だけです。バックランジは20回×3セットにしています。
1セットずつにしている理由は単純で、「30分しかないので、複数セットするとレストを入れないといけない」からです。時間のほうが先に決まっているので、中身がそれに合わせて決まりました。
もちろん、17種目を最初からやる必要はまったくありません。枠が30分なら、その中で「今日は何を残すか」を選ぶだけです。削る順番の考え方は、30分の中で種目をどう絞るかにまとめました。時間の少ない日ほど、この記事が役に立つはずです。
筋トレを始めて1ヶ月で体重が増えたら(STEP2〜3の寄り道)
STEP2からSTEP3のあたりで、つまずきやすいのがここです。筋トレを始めたのに、体重が増える。
僕にも起きました。筋トレを再開してからの1ヶ月で、体重は減らずに約1kg増えています。家庭用の体組成計では、体脂肪はあまり変わらず、筋肉量の表示が約500g増えていました。ただし、体組成計の数値は体内の水分量の影響を受けます。この500gが本当に筋肉かどうかは、この数字だけでは分かりません。
それでも僕は焦りませんでした。必要な過程だと考えていましたし、むしろダイエットのモチベーションは上がりました。ここで「効果がない」と判断してやめてしまうと、いちばんもったいない時期に手を離すことになります。増え方の中身をどう見分けるかは、始めて1ヶ月で体重が増えたときの見分け方に書いています。不安になったら、STEP3の途中で寄り道してください。
STEP4:上半身を足す。ただし12種目ではなく3種目から
下半身と時間の枠ができたら、次は上半身です。ここでのポイントは、種目の数ではなく、並べ方です。
理由は、並べ方しだいで同じ時間に入る量が変わるからです。僕は上半身を12種目やっています。内訳は胸4・背中3・肩2・腕3です。それでも休憩をほとんど取らずに回せているのは、同じ筋肉を続けて使わない並びにしているからです。
具体的には、胸のあとに背中、上腕二頭筋のあとに上腕三頭筋、というように、反対の働きをする筋肉(拮抗筋)を交互に入れています。さらに下半身→上半身→上半身の反対側→下半身、と上下も交互にしています。こうすると、次の種目をやっている間に前の筋肉が休みます。ダンベルを持ち替えたり水を飲んだりする数秒が、休憩の代わりになります。
なお、この並べ方は研究を読んで決めたものではありません。自分で組み立てた結果、こうなりました。
そして大事なことを1つ。これから始める方は、12種目ではなく3種目からで十分です。押す動き・引く動き・脚、と役割が違うものを1つずつ持てば、体の大きい部分はひととおり触れます。
僕がやっている17種目の中から3つだけ残すとしたら、バックランジ/ダンベルプレス/ダンベルベントオーバーロウを選びます。下半身・胸・背中と、大きい筋肉を1つずつ押さえられるからです。STEP2で下半身を先頭に置いたのは、このためです。
並べ方の詳しい考え方と12種目の中身は、上半身をどう並べるかにまとめました。
1つ正直に書いておきます。僕は休日に上半身をやっていません。平日にジムでダンベルを使う形なので、ダンベルなしの代替種目は自分では試していません。器具がない方に向けた代替の情報は、僕の体験ではなく一般的な情報として、上の記事の中で扱っています。
STEP5:筋トレと有酸素運動、どちらを先にやるか
筋トレが回り始めると、次に出てくる問いがこれです。「筋トレと有酸素運動、どっちを先にやればいいのか」。
先に結論を書くと、順番で結果が大きく変わるという証拠は、いまのところ強くないようです。大事なのは順番よりも、両方を続けられているかどうかです。ですから、自分が続けられるほうを先にして構いません。
そのうえで僕は、筋トレを先にしています。理由は「40代になって一番守りたいのが筋肉だから」という、それだけです。
有酸素運動そのものについても、1つだけ書いておきます。僕は減量を始めた最初のころ、日曜の朝に10kmを1時間かけて走っていました。そのころ、体重はまったく減りませんでした。
ただ、これは走ることに意味がないという話ではありません。週1回・約60分という量が、体重を動かす水準に届いていなかったということです。走っている最中はきつかったのですが、走り終わるとリフレッシュできて、気持ちよかったです。そのときの運動量を研究の目安と並べた記録は、週1回のジョギングでは足りなかった話に書いています。
順番に迷ったら、続けられるほうを先にする。これがSTEP5です。それぞれの順番のメリットとデメリットは、筋トレと有酸素をやる順番で比べています。
STEP6:止まった日のために、戻り方を先に知っておく

最後のステップは、まだ止まっていないうちに、戻り方を知っておくことです。一度やめた方にとっては、ここが最初の入口になります。
理由は、続けられない時期は誰にでも起こりえるからです。そして止まったときに困るのは、体よりも気持ちのほうです。「前と同じ重さを持てない自分を見たくない」と思うと、その日はまた1日延びます。
僕の場合、止まり方は2段階でした。まず腰痛とテニス肘で一度お休みし、そのあとアルバイトの掛け持ちで朝起きられなくなって、完全に止まりました。やめた期間は9ヶ月です。いまも寝不足で朝に動けない日はあります。その日の筋トレをどう決めているかは起きられなかった日の筋トレの決め方にまとめました。
掛け持ちで疲れがたまっていた時期に、何が止まって何だけが残ったかは、疲れてダイエットが続かないときに僕が残した1つの習慣に書いています。
寝不足そのものが体重にどう関わるかは、睡眠不足と太りやすさを研究で確かめた記事にまとめています。
この記事では、ケガの治し方やリハビリの方法は書きません。僕は医療の専門家ではありませんし、痛みの原因は人によって違います。痛みが続くなら、自己判断で運動を再開せず、医療機関にご相談ください。
再開のきっかけは、お腹が出てきて、鏡を見て自分の体にがっかりしたことでした。再開の初日にやったのは2つだけです。以前あまりやらなかったストレッチを入念にしたことと、ダンベルの重さをだいぶ軽くしたこと。前と同じ重さから戻したわけではありません。
止まったら、軽い1回目からやり直せばいい。それを先に知っておく。これがSTEP6です。9ヶ月やめたあとに何から戻したかに、休んだ体で何が起きるのかという研究も含めてまとめています。
筋トレを始める前に決めておきたい安全のルール
順番の話をひととおり書きましたが、すべての前に来るのが安全です。
厚生労働省の情報シート「筋力トレーニングについて」は、筋トレを行う際の注意として「血圧の急激な上昇を抑えるために、息をこらえないように注意してください」としています。力を入れるときに息を止めないこと。これは最初の1日からできます。
そのうえで、この記事の立場をはっきり書いておきます。
- 痛みが出たら、その場でやめる。回数や重さを減らして続けようとしない
- 痛みが続くとき、持病があるとき、体調に不安があるときは、始める前に医師などの専門家に相談する
- 「みんながやっている量」ではなく、今日の自分の体でできる量にする
僕自身、腰痛とテニス肘で9ヶ月止まりました。止まってしまえば、順番も種目数も使えません。続けるための一番の条件は、ケガをしないことだと思っています。
筋トレだけでは体重は動きません。食事の側にも順番があります
もう1つだけ、正直にお伝えしておきたいことがあります。体重や見た目を変えたいなら、運動だけでは足りません。食事の側も同時に動かすことになります。
僕の場合がそうでした。STEP5に書いたとおり、最初のころは走るだけで体重が動きませんでした。記憶では、減量を始めておよそ3ヶ月してから食事管理を始めています。目に見えて体重が動いたのは、そこからでした。
逆の経験もしています。12kg減らしたあと、1年以上はキープできていました。その後、使っていた食事管理アプリを解約し、食べた量が見えなくなりました。そこから食事管理がおろそかになり、リバウンドが始まりました。食べた量が見えなくなると、それまで保てていたものが崩れることがあります。
食事の側にも、筋トレと同じように順番があります。ゼロから整える手順は、食事の側をゼロから整える4ステップにまとめました。筋トレのSTEP1〜2を始めたら、同じ週にこちらの入口も開けておくと進みやすくなります。
なお、この記事ではプロテインやサプリメントの紹介はしません。順番としては、まず毎日の食事です。
よくある質問
40代から筋トレを始めるなら、何からやればいいですか?
まず「何のためにやるか」を現実に合わせ、次に下半身の1種目から始めるのが進めやすいです。厚生労働省の情報シートは、成人および高齢者に筋トレを週2〜3日行うことを推奨しています。種目を増やすのは、週2〜3日が習慣になってからで間に合います。目安であり個人差があります。痛みや持病がある方は、事前に医師などの専門家にご相談ください。
筋トレは週に何日やればいいですか? 毎日はだめですか?
厚生労働省の情報シートは週2〜3日を推奨し、休息日を念頭に置いた数値だと説明しています。同じ資料には、週あたりの実施時間が長くなりすぎると逆効果である可能性も示されている、という記述もあります。僕自身は平日の朝に短時間で続けていますが、これは僕の生活に合わせた形で、これから始める方におすすめする形ではありません。まずは週2〜3日から始めるほうが、無理が少ないと思います。
一度やめてしまった筋トレは、何から戻せばいいですか?
前の自分に追いつこうとしないことです。僕はケガと生活の変化で9ヶ月やめてしまい、再開の初日は、ストレッチを入念にして、ダンベルの重さをだいぶ軽くするところから戻しました。痛みが残っている場合は、重さを軽くする前に医療機関にご相談ください。戻り方にも個人差があります。
筋トレの時間が30分しかありません。それでも意味はありますか?
時間の長さより、その中に何を残すかで決まります。僕は30分の枠の中で、全身を1セットずつ回しています。種目を削るときは「脚」「上半身を押す動き」「上半身を引く動き」の3つを優先すると、大きい筋肉を取りこぼしにくくなります。これは僕のやり方であって、唯一の正解ではありません。
筋トレと有酸素運動は、どちらを先にやればいいですか?
順番で結果が大きく変わるという証拠は、いまのところ強くないようです。大事なのは両方を続けることで、順番は自分が続けられるほうで構いません。僕は「40代になって一番守りたいのが筋肉だから」という理由で、筋トレを先にしています。
まとめ:今日は「1種目」だけ決めれば十分です
- STEP1 期待値を「体重を落とす道具」ではなく「減る側を押さえる手段」に置き直す
- STEP2 下半身の1種目から始める。痛みが出たらその場でやめる
- STEP3 種目数ではなく時間の枠を先に決める。僕の枠は30分
- STEP4 上半身を足す。数より並べ方。始めるなら3種目から
- STEP5 有酸素運動は、自分が続けられるほうを先にする
- STEP6 止まった日の戻り方を、止まる前に知っておく
- 頻度は、国の推奨である週2〜3日と休息日から始める
全部を今日やる必要はありません。今日決めるのは、STEP2の「1種目」だけで十分です。それが決まったら、バックランジの手順とやってはいけない動きを開いて、フォームを1つ覚えてください。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。僕は12kg減らして、戻して、筋トレも9ヶ月やめて、そこからまた始めました。順番さえ手元にあれば、何度でも組み直せます。同じように体と向き合う一人として、一緒に進めていきましょう。
参考にした情報
- 厚生労働省「身体活動・運動の推進」
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート「筋力トレーニングについて」
- 健康長寿ネット「サルコペニアとは」(公益財団法人 長寿科学振興財団)
※この記事は、運営者個人の体験と一般的に知られている情報をもとにまとめたものです。効果や感じ方には個人差があり、特定の効果を保証するものではありません。持病のある方・体調に不安のある方は、実践の前に医師などの専門家にご相談ください。詳しくは免責事項をご覧ください。





