ゆずゆず
うたくん…ぼく、もう何も続かないよ。疲れて帰ってくると、運動も記録も全部どうでもよくなっちゃうんだ。
うたうた
分かるよ。しかもそういう日にかぎって、甘いものに手が伸びるんだよね。
ゆずゆず
そうなの! 前は我慢できてたのに、最近は袋を開けちゃう。ぼく、意志が弱くなったのかな。
うたうた
うーん、そこを「意志が弱い」で片づけるのは、たぶん違うんだ。
ゆずゆず
えっ、じゃあ何が起きてるの?
うたうた
疲れた日には、消える行動と生き残る行動があるんだよ。今日は「何を残すか」を先に決めておく話をするね。飼い主さんも、疲れで全部崩れた時期に、たった1つだけ生き残ったことがあったんだって。

疲れて帰ってきた日は、筋トレをする気力も、食べたものを記録する気力も残っていない。翌朝も起きられない。そんな日が数週間続いたころには、続けていたはずのことが1つずつ消えている。そして消えたあとに残るのは、「自分は続けられない人間だ」という感覚だけ。僕もそこにいました。

先に結論を書きます。疲れた日に必要なのは、頑張り直すことでも、いったん全部やめることでもありませんでした。元気なうちに「疲れた日は何をやめて、何だけは残すか」を決めておくことです。僕の場合、疲れで筋トレも食事管理も消えたのに、体重を測って記録することだけは消えませんでした。理由は根性ではなく、それがいちばん手間のかからない行動だったからです。

僕は43歳のときに人生最高体重を迎え、そこから1年5か月で12kg減らしました。1年以上はその体重をキープできましたが、2025年9月頃からリバウンドし、今は再挑戦している47歳です。健康や栄養の資格は持っていません。ここに書くのは、疲れで生活が崩れた当事者としての記録と、厚生労働省の資料や研究論文を読んで確かめたことです。

読み終わる頃には、「今日もできなかった」と自分を採点する代わりに、疲れた日用の最低ラインが1つだけ決まっている状態になっているはずです。そしてもう1つ、この記事でいちばんお伝えしたい報告があります。1日サボっても、習慣はやり直しにはならないという研究です。

疲れてダイエットが続かなくなるのは、あなただけじゃありません

疲れで食事管理や運動が崩れるのは、あなたの性格の問題ではありません。国の調査でも、同じ理由が上位に挙がっています。

厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査報告」では、食習慣や運動習慣を改善しようとするときの妨げについて調べています。そこで上位に挙がっているのが、「仕事(家事・育児等)が忙しくて時間がないこと」と「面倒くさいこと」でした。なお、具体的な割合の数字は原典で確認できなかったため、この記事では書きません。

僕の場合も、順番は教科書どおりに崩れていきました。アルバイトをもう1つ増やしたところから始まります。

  • アルバイトを増やす → 帰宅が遅くなり、朝起きられなくなった
  • 朝起きられない → 毎朝やっていた筋トレの時間が消えた
  • ほぼ同じ時期に、使っていた食事管理アプリのサブスクを解約した → 食事管理も消えた

アプリを解約した理由は、料金の見直しでした。ただ、正直に書くと理由はそれだけではありません。疲れた日に、食べたものを細かく記録するのが億劫になっていたのです。「お金がもったいないから」の裏には、「もう手間に耐えられない」という気持ちがありました。

つまり消えていったのは、意志の強さが必要な行動ではなく、手間のかかる行動から順番でした。ここが、この記事の全体を貫く見方になります。この崩れ方が、ほかの原因とどう絡み合ってリバウンドにつながったのかは、「12kg痩せたのに、なぜリバウンド?」にまとめてあります。この記事は、その原因の1つ目「疲れ」を掘り下げたものです。

疲れると甘いものに手が伸びるのは、なぜ?

疲れやストレスと、体に良くない食べ物を食べることの間には、関連が報告されています。ただしその関連は「小さい」というのが、今のところの答えです。「疲れているから食べてしまうのは当然」と言い切れるほど強い根拠ではありません。

研究では「関連はある。でも効果は小さい」

2022年に発表されたメタ解析(複数の研究を集めて全体の傾向を出す方法)があります。Hillらが健康な成人を対象にした研究を集めたもので、54研究・合計119,820人という大きな規模です。

結果はこうでした。ストレスがあると、体に良くない食べ物の摂取が増える方向に関連がありました。同時に、体に良い食べ物の摂取は減る方向に関連していました。数字で言うと、効果の大きさを表す指標(Hedges' g)はそれぞれ0.116と−0.111です。

この0.1という数字は、この分野では「小さい効果」に分類される水準です。つまり、「ストレスや疲れがあると、そういう方向に少し傾く人が多い」というくらいの話であって、「疲れたら誰でも甘いものを食べる」という話ではありません。

だから僕は、この研究を「言い訳の材料」としては使わないことにしました。同時に、「意志が弱いから食べたんだ」という自己採点の材料にもしません。関連は確かに報告されている。でも、それだけで全部を説明することはできない。ここが正直なところです。

仕組みとして考えられていること(ただし、これは仮説です)

なぜそうなるのかについては、1つの説明の枠組みが提案されています。2007年にAdamとEpelが発表した「報酬にもとづくストレス食い」というモデルです。ストレスがかかったときに出るホルモン(コルチゾール)と、脳の「うれしい」を感じる回路(報酬系)が、カロリーの高い食べ物への動機づけを高めるのではないか、という考え方です。

ただし、ここは注意して読んでください。これは理論をまとめた総説であって、因果関係を証明した実験ではありません。「コルチゾールのせいで甘いものを食べてしまう」と断定できる段階ではないということです。あくまで「こう説明できるかもしれない」という仮説の1つとして紹介します。

そこに寝不足が重なると

疲れているときは、たいてい睡眠も削れています。ここも無関係ではありません。

平均39歳の11人を対象にした2009年の研究(Nedeltchevaら)では、ベッドにいる時間を5.5時間にした期間と8.5時間にした期間を比べています。増えたのは食事ではなく、間食からの摂取で1日あたり平均221kcalでした。しかも、間食に占める炭水化物の割合が上がっていました。

僕のリバウンド期も、まさにこれでした。アルバイトから遅く帰ると目が冴えて寝付けず、午前0時前後に甘いものや白いごはんを食べていたのです。寝不足と体重の関係は、「睡眠不足と太りやすさ」の記事で、就寝時刻の話まで含めて詳しく書きました。

疲れと寝不足は、たいてい一緒にやってきます。だからこそ、片方だけを敵にしても解決しません。次の章では、多くの記事が原因として挙げている「意志力」の話を、正直に見ていきます。

「意志が弱いから」でもなければ、「意志が強ければ勝てる」でもありません

「意志力(ウィルパワー)は使うと減っていく。だから疲れた夜は誘惑に勝てない」——この説明を、ダイエットの記事でよく見かけます。分かりやすいので僕も長く信じていました。ですが、この説は大規模な追試では確認できませんでした。

もとになっているのは「自我消耗(エゴ・ディプリーション)」という考え方です。自分をコントロールする力は、使うと減る燃料のようなものだ、という説でした。

2016年に、この説を検証する大きな研究が行われました。Haggerらによる、あらかじめ手順を公開してから実施する形式(事前登録)の再現実験です。23の研究室が参加し、合計2,141人が対象になりました。

結果は、効果の大きさを表す指標(d)で0.04でした。信頼できる範囲(95%信頼区間)は−0.07から0.15で、ゼロを含んでいます。これは、「意志力が減る効果があるとは言えなかった」という意味です。著者らは、この効果が本当に存在するのかどうかについて疑問を投げかけています。

誤解のないように書きます。これは「意志力なんて存在しない」と証明された、という話ではありません。「使うと減る」という説明を、事実として書ける段階ではないということです。

それでも僕がこの研究を紹介したかったのには、理由があります。この説を信じている間、僕の中には2つの声しかありませんでした。「疲れているんだから仕方ない」という声と、「結局は気合いが足りないんだ」という声です。どちらも、次に何をすればいいかを教えてくれません。

だから、この2つはいったん置いておくことにしました。代わりに使うのが、仕組みの話です。ここからが、この記事の本題になります。

疲れた日に生き残ったのは、いちばんハードルの低い行動でした

疲れで生活が崩れた時期、僕がやっていたことと、やめてしまったことを正直に並べます。

  • 毎朝の筋トレ → 消えた(朝起きられなくなったため)
  • 食事管理アプリでの記録 → 消えた(サブスク解約と、記録が億劫になったことが重なって)
  • 甘いもの・お菓子を我慢すること → 消えた(それまでは食べていませんでした)
  • 体重を測って記録すること → 残った

残ったのは1つだけでした。しかも、白状すると「これだけは死守しよう」と決めていたわけではありません。気がついたら、それだけが残っていたのです。

この1つだけが生き残った理由を、あとから研究を読んで理解しました。それが、いちばん手間のかからない行動だったからです。

僕がやっているのは、朝起きてトイレを済ませたあと体組成計に乗り、表示された数値をスマホのアプリに記録することだけです。今は4つのアプリに入れています。数字を打ち込むだけなので、1分もあれば終わります。一方で、食事の記録は「何を、どれだけ食べたか」を思い出して、探して、入力する作業です。疲れた日の僕には、この差が決定的でした。

疲れているときほど「習慣」のほうが出る

なぜ簡単な行動だけが残ったのか。それを説明できる研究があります。

2013年にNealらが発表した研究では、自分をコントロールする余力が乏しいとき、人は習慣になっている行動を繰り返すほうに傾くことが示されています。習慣は「その場面に来たら自動的に出る」ものなので、あれこれ考える余力がなくても実行されるからです。

ここが大事なところなのですが、この研究が言っているのは「良い習慣も、良くない習慣も、どちらも出やすくなる」ということです。

僕の場合に当てはめると、きれいに説明がつきます。体重を測る習慣は、疲れていても出た。同時に、疲れて帰ったときにコンビニで甘いものを買う行動も、繰り返すうちに習慣になっていきました。同じ仕組みで、良いほうも悪いほうも自動化されていたわけです。

ただし1つ注意を添えます。この研究は、さきほど紹介した「意志力は使うと減る」という枠組みの上に組み立てられています。その枠組み自体が2016年の再現実験で確認できていない以上、この説明も「確定した事実」として扱うことはできません。それでも、僕に起きたことを一貫して説明できる見方だったので、判断の材料として紹介しています。

単純な行動ほど、早く自動化する

習慣の作られ方については、実際に人を追いかけて調べた研究があります。

2010年にLallyらが発表した研究では、96人が12週間にわたって、毎日同じ場面で決めた行動を繰り返しました。その行動が「考えなくてもできる」状態に達するまでの日数を測った研究です。

この研究をまとめた2012年の解説論文(Gardnerら)に、僕がずっと探していた記述がありました。「水を飲むといった単純な行動のほうが、手の込んだ一連の作業よりも、自動化の到達が早かった」という指摘です。

体重計に乗って数字を打ち込むのは、まさに「水を飲む」に近い単純さでした。食事の記録は「手の込んだ一連の作業」のほうです。疲れた日に何が残るかは、意志の強さではなく、行動の単純さで決まっていた。僕の体験は、この線でそのまま説明できました。

1日サボっても、習慣はやり直しにはなりません

そして、この記事でいちばんお伝えしたいのがここです。

同じ解説論文(Gardnerら 2012)には、こう書かれています。「ときどき実行の機会を逃しても、習慣形成の過程が大きく損なわれることはなかった。1回逃したあとも、自動化の伸びはすぐに再開した」(原文の要旨)。

1日サボったら最初からやり直し、ではないのです。僕はずっと、1日休むと「連続記録が途切れた」と感じて、そこから2日、3日と離れていくタイプでした。同じ人は多いと思います。ですが、研究が見ていたのは連続記録ではなく、繰り返しの総量でした。

もう1つ、よく引用される「66日」についても正確に書いておきます。Lallyらの研究で、自動化がほぼ頭打ちになったのは平均で約66日でした。ただし、そこには続きがあります。個人差が非常に大きく、その幅は18日から254日でした。研究者本人も、この研究が本当に示したのは「習慣形成にかかる時間は人によって大きく違う」ということだ、と述べています。

「習慣化には21日かかる」という話もよく見かけますが、これを裏づける研究は見つかりませんでした。この記事では使いません。

18日で身につく人もいれば、254日かかる人もいる。あなたが3週間で身につかなかったのは、遅れているのではなく、その幅の中にいるだけかもしれません。

疲れた日に「やめること」と「残すこと」を、元気なうちに決めておく

疲れきった夜に、何を残すかを考えるのは無理です。そのときには考える余力が残っていないからです。だから元気なうちに決めておく。これが、僕がたどり着いた結論です。

ここからは僕の提案を3つ書きます。ただし先に断っておきます。これは僕が自分の失敗から組み立てたもので、誰にでも当てはまる正解ではありません。「僕はこうしている」「これはまだできていない」も正直に添えます。

1. 疲れた日の運動は「やめる」ではなく「減らす」

疲れた日は運動をゼロにしない。減らして残す。これを最初に置きます。

根拠にしているのは公的な資料です。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、全体の方向性として「個人差を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む」「今よりも少しでも多く身体を動かす」と書いています。WHO(世界保健機関)の資料にも、「どんな量の身体活動でも、まったくやらないよりはよい」という一文があります。

つまり公的な指針の側が、「全部やるか、やらないか」ではなく「減らしてでも続ける」を後押ししてくれています。

僕はバックランジ(片足を大きく後ろに引いて腰を落とす運動)を毎日20回×3セット行っています。平日は職場のジム、休日は家です。ただし、公的な目安は筋トレ週2〜3日(身体活動・運動ガイド2023)で、毎日というのは僕の個人的なやり方です。読者の方におすすめするものではありません。そのうえで、疲れた日は、これを1セットだけにします。3セットできない日に3セットを目指すと、たいていゼロになるからです。1セットなら、着替えないままでもできます。詳しいやり方は「バックランジ」の記事に書きました。

ここで、正直に添えておきたい研究があります。「疲れていると運動のパフォーマンスが落ちる」という話は広く知られていますが、2020年のHolgadoらの分析では、研究の偏り(出版バイアス)を補正すると、その効果はぐっと小さくなったと報告されています。補正後は、統計的な差とは言えない水準でした。著者は、現時点の証拠は「精神的な疲労が運動の成績を落とす」という主張を決定的には支持しない、と述べています。

だから「疲れているときに動けないのは科学的に証明されている」とは書けません。同時に、「疲れていても動けるはずだ」と発破をかけるつもりもありません。動けない日があるのは事実として認めたうえで、ゼロと3セットの間に選択肢を作っておく。これが僕の落としどころです。

なお、筋トレを再開した直後に体重が増えて焦る方もいると思います。僕もその1人でした。その見方は「筋トレ1ヶ月で体重が増えた理由と40代の見分け方」に書いています。

2. 食事は「管理」をやめて「記録」だけ残す

疲れた日に、食事の管理までしようとしないこと。残すのは記録だけにします。

僕が失敗したのは、まさにここでした。食事管理アプリの記録が億劫になり、解約し、そこから食事の全体像が見えなくなりました。「完璧に記録するか、しないか」の二択にしてしまったのが敗因です。

今は自分で作ったPFC管理アプリを使っています。疲れた日は、3食すべてではなく1食だけ入れます。夕食だけでもかまいません。空欄の日があっても消しません。前の章で見たとおり、1日抜かしても習慣形成は大きくは損なわれないからです。

自分で作ったアプリの話は「PFC管理アプリ」の記事に書いてあります。市販のアプリでもノートでもかまいません。大事なのは中身ではなく、疲れた日でも1分で終わる形にしてあるかどうかです。

3. 甘いものは「我慢する」より「手の届く場所に置かない」

3つ目は、意志ではなく置き場所の話です。

疲れた日に「食べない」と決めるのは、その場の判断力に賭けることになります。前の章で見たとおり、疲れているときは考えるより習慣が出やすい。なら、判断そのものを減らすほうが早い。

僕の場合、疲れた日の甘いものはコンビニで買っていました。もう1つは、家にあったお菓子の買い置きです。どちらも「目の前にあった」「帰り道にあった」という共通点があります。

  • 帰り道でコンビニに寄らないで済むルートを1本決めておく
  • 家にある分は、椅子から立たないと取れない場所にしまう
  • 買い置きを増やさない(買い物のときに決める。疲れた夜に決めない)

正直に書くと、ここは僕もまだ道半ばです。特にコンビニは、疲れているほど立ち寄ってしまいます。それでも「意志で我慢する」と決めていた頃より、「今日はこの道で帰る」と決めるほうが、僕には続きました。

「体重を測るだけ」に意味はあるの?

ここは正直に書きます。「測るだけで痩せる」とは言えません。ただし、それでも僕は測ることをすすめます。理由は減量効果ではなく、別のところにあります。

2015年に発表されたMadiganらのメタ解析を見てみます。ランダム化比較試験(人をくじ引きのように振り分けて比べる、信頼性の高い研究方法)20件・2,843人をまとめたものです。

  • 体重を測ることだけを単独で調べた研究は1件しかなく、効果があるという証拠は得られなかった(−0.5kg、95%信頼区間は−1.3から0.3。ゼロを含んでいます)
  • 他の取り組みに「体重を測る」を足した4件では、−1.7kgの差が出た(95%信頼区間は−2.6から−0.8)
  • 体重測定を含む複数のやり方をまとめた取り組みと、何もしない場合を比べた15件では、−3.4kgの差が出た

つまり、測ることは単独の必殺技ではなく、他の取り組みと組み合わさったときに働くものでした。「乗るだけで痩せる」と書いてある記事を見かけたら、この数字を思い出してください。

ではなぜ、僕はそれでも測ることを残すよう提案するのか。再開するときの足場が残るからです。

疲れて筋トレも記録も全部消えた時期、僕に残っていたのは体重の数字だけでした。だから今回、再挑戦を始めるときに「どこから落ちてきて、今どこにいるのか」がすぐ分かりました。体重測定は減量の道具ではなく、崩れたあとに戻ってくるための目印でした。

もう1つ、同じ研究から大事なことが分かっています。毎日測る場合と週1回測る場合とで、結果に差はありませんでした。

これは、配慮として書いておきたい点につながります。毎日体重を測ることが、かえって気分の上下につながる人もいるという報告があります(対象は若い女性で、40代の男性を調べたものではありません)。数字が増えた日に落ち込んで、それがつらくて体重計から離れてしまうくらいなら、週1回でかまいません。

僕自身は今でも毎日測っています。ただ、これは僕が数字を見ても落ち込みにくいタイプだったというだけの話です。合わないやり方を根性で続ける必要はありません。

疲れが続くときは、努力より「生活の設計」を疑う

疲れが「日」ではなく「期間」になっているなら、乗り切り方を工夫する話ではなくなります。

僕の場合、変わったきっかけは工夫ではありませんでした。2026年7月に、掛け持ちしていたアルバイトを1つに絞りました。ブログを書き始めたのと同じ頃です。その結果、以前より早く帰れるようになり、疲れづらくなりました。同じ頃に、消えていた朝の筋トレも再開しています。

ただし、ここは慎重に書かせてください。「バイトを減らしたから筋トレが再開できた」と断定するつもりはありません。同じ時期に起きた出来事が2つある、というだけです。そして何より、これは僕の状況だからできたことです。収入や家庭の事情で仕事を減らせない方は大勢います。「仕事を減らしましょう」を解決策として提案するつもりは、まったくありません。

続けられない原因を、自分の性格や意志の中だけで探すのをやめてみてください。僕は2年近く、「モチベーションが下がった自分」を原因だと思っていました。実際に効いていたのは、帰宅時間という生活の条件のほうでした。

とはいえ、自分の疲れがどのくらいの状態なのかは、自分ではなかなか分かりません。そこで使える公的なツールがあります。

厚生労働省の「働く人の疲労蓄積度セルフチェック」です。「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト」(2023年に改正されたもの)にもとづくオンライン版で、無料・全27問・所要時間はおよそ5分です。最近1か月の自覚症状と勤務状況を答える形式になっています。2023年の改正では、食欲・睡眠時間・勤務間インターバル(仕事が終わってから次に働き始めるまでの時間)に関する項目が加わりました。ダイエットの文脈で読んでも、意味のある項目が並んでいます。

そして、これだけは必ず書かせてください。

  • 強い疲労が続いている
  • 休んでも疲れが取れない
  • 食欲や睡眠の変化が続いている

こうした状態が続くときは、生活の工夫や記事の情報だけで抱え込まないでください。医療機関への相談を検討してください。疲れの背景に、対処が必要な状態が隠れていることがあります。僕は資格を持たない一般の40代なので、そこから先は専門家の領域です。

まとめ

  • 疲れで食事管理や運動が崩れるのは珍しいことではなく、国の調査でも「仕事が忙しくて時間がない」が改善の妨げの上位に挙がっている
  • 疲れ・ストレスと、体に良くない食べ物の摂取には関連が報告されている。ただし効果は「小さい」水準で、それだけで全部は説明できない
  • 「意志力は使うと減る」という説は、23の研究室・2,141人の再現実験では確認できなかった
  • 疲れているときは、良い習慣も良くない習慣も、習慣になっている行動のほうが出やすいという見方がある
  • 単純な行動ほど自動化が早い。僕の場合、疲れても残ったのは体重を測って記録することだけだった
  • 1日抜かしても習慣形成は大きくは損なわれない。自動化までは平均約66日、幅は18日から254日
  • 体重を測るだけで痩せるとは言えない。ただし再開するときの足場になる。毎日と週1回で差はなかった
  • 疲れが期間になっているときは、努力より生活の条件を見直す。強い疲労が続くときは医療機関へ

今日の一歩は、疲れた日用の「これだけは残す」を1つだけ決めることです。体重を測る、水を1杯飲む、バックランジを1セットだけやる。何でもかまいません。条件は1つ、疲れきった日でも1分で終わることです。決めるのは、元気な今のうちに。

よくある質問

Q. 疲れているときは、ダイエットを休んでもいいですか?

A. 全部やめてしまうより、いちばん簡単な行動を1つだけ残すほうが現実的だと僕は考えています。厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023も、全体の方向性として「今よりも少しでも多く身体を動かす」としており、WHOの資料にも「どんな量の身体活動でも、まったくやらないよりはよい」とあります。ただし、体調がすぐれないときの運動は無理をせず、不安があれば医師にご相談ください。

Q. 1日サボったら、習慣は最初からやり直しですか?

A. やり直しにはならないと報告されています。習慣形成を調べた研究の解説(Gardnerら 2012)には、ときどき機会を逃しても習慣形成の過程は大きく損なわれず、自動化の伸びはすぐ再開した、と書かれています。連続記録が途切れたことより、そのあと再開したかどうかのほうが大事です。

Q. 体重を測るだけでも意味はありますか?

A. 「測るだけで体重が減る」という証拠は乏しいのが正直なところです(Madiganら 2015のメタ解析では、単独では効果が確認できませんでした)。ただし、他の取り組みと組み合わせると効果が報告されています。僕は減量の道具としてではなく、崩れたあとに戻ってくる目印として残すことをおすすめしています。毎日と週1回で差は出ていないので、毎日がつらい方は週1回で大丈夫です。

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。僕もまだ、疲れた日にコンビニへ寄ってしまう側の人間です。同じ40代として、「これだけは残す」を1つずつ持って、一緒に続けていけたらうれしいです。

ゆずゆず
えっ、1日サボってもやり直しじゃないの? ぼく、途切れたら終わりだと思ってた。
うたうた
そうなんだ。だから「毎日完璧に」じゃなくて、「疲れた日でも1分で終わること」を先に決めておくのがいいんだって。
ゆずゆず
じゃあぼくは、疲れた日は体重計に乗るだけにする! それならできそう。
うたうた
いいね。あとね、疲れがずっと取れないときは工夫じゃどうにもならないこともあるから、そのときはお医者さんに相談してね。
ゆずゆず
うん。今日から「これだけは残す」をひとつ決めておくよ。

参考にした情報

※この記事は、運営者個人の体験と一般的に知られている情報をもとにまとめたものです。効果や感じ方には個人差があり、特定の効果を保証するものではありません。持病のある方・体調に不安のある方は、実践の前に医師などの専門家にご相談ください。詳しくは免責事項をご覧ください。