
朝と夜で体重が違う。毎日測ると数字に振り回される。かといって測らないと、気づいたときには増えている。40代以降のダイエットで、体重計の数字をどう読めばいいのか分からなくなっている方に向けて書きました。
結論を先に、3つ書きます。
- 1日のうちの体重の差(多くの場合0.5〜2kg)は、ほとんどが水分と食べ物の重さです。脂肪が増えたわけではありません
- だから「朝と夜のどちらが正しいか」より、毎回同じ条件でそろえるほうが大事です
- 毎日測るか週1で測るかは、研究が両方あります。決め方はこの記事の分岐で選べます
僕は栄養や運動の資格を持っていない、一般の47歳です。43歳のときに66.8kgから1年5ヶ月で12kgを減らし、その後リバウンドしました。体重は、減量していたころも今も、1日2回(朝と夜)測って記録しています。バイトを掛け持ちして疲れが溜まり、朝の筋トレも食事の記録もできなくなった時期も、体重計に乗ることだけは途切れませんでした。
ただ、続けたから数字が読めるようになった、という話ではありません。ネットには「朝が正しい」「毎日測れ」「週1でいい」「体重は気にするな」が同時に並んでいて、どれも自信ありげです。迷うのが当たり前だと思います。
この記事を読み終えると、朝と夜の差に理由がつき、自分が毎日測るタイプか週1で測るタイプかが決まり、「何日分を見れば本当に動いたと言えるのか」の線が引けます。昨日より増えた数字に振り回される時間が減って、その分を食事と運動に回せます。
そのうえで、読む方の状況によって、先に読む章が変わります。
- 朝と夜の差に驚いている人向け:次の章へ。差の中身と、1日にどれくらい動くのが普通かが分かります
- 毎日測るか週1か決められない人向け:「毎日測るか、週1で測るか」の章へ。研究を両方並べて、ケース別に選べるようにしました
- 測ってはいるが、増えたのか減ったのか分からない人向け:「何日分を見れば」の章へ。判断の線を引きます
- 体脂肪率の数字が信用できない人向け:「体脂肪率が朝と夜で違う」の章へ。あの数字は人と比べるものではありません
朝と夜で体重が違うのは、脂肪が増えたからではありません
同じ日の朝と夜で体重が違っても、その差の多くは脂肪の増減ではありません。中身のほとんどは、水分と食べ物の重さです。
1日のうちに体重はどれくらい動くのか:0.5〜2kgは珍しくない
体重計メーカーのタニタによると、1日の中で2kg程度の増減があってもおかしくないとされています。主な原因は、体内の水分の増減です。
食事管理アプリのあすけんも、同じ質問に「個人差はありますが、0.5kg〜2kgまで変動することがあります」と答えています。
つまり、朝と夜で600g違った、800g違った、1kg違った、というのは、どれも1日の振れ幅の中に収まる数字です。異常ではありません。
ただし、1日の振れ幅では説明がつかない増え方が何日も続くときや、むくみ・息切れなど体調の変化があるときは、体重計の数字だけで判断せず、医師に相談してください。
夜のほうが重くなりやすい3つの理由
理由は大きく3つあります。
- 食べたもの・飲んだものの重さ:500mLの水を飲めば、その場で体重は500g増えます。消化や排泄が済むまでは、体の中にある分がそのまま重さとして出ます
- 炭水化物と一緒に蓄えられる水:体は炭水化物をグリコーゲンという形で蓄えますが、このとき水も一緒に抱え込みます。1970年のOlssonとSaltinの研究では、高糖質の食事に切り替えた4日間で体重が2.4kg増え、体内の水分が2.2L増えました。蓄えられたグリコーゲンは少なくとも500gと計算され、グリコーゲン1gあたり3〜4gの水が結びつくとされました
- 排泄と発汗のタイミング:タニタは、いちばん低い数値が出やすいのは「朝起きて排泄を済ませたタイミング」だとしています。夜は、日中に食べて飲んだものが体に残ったままです
なお、塩分の多い食事のあとは体に水分が保たれやすいとされますが、「何kg増える」という数字については、今回調べた範囲で信頼できる一次情報を見つけられませんでした。数字は書きません。

僕の場合、朝と夜の差は0.5〜1kgです
僕は毎日2回、体重を測っています。朝は起床後、トイレのあとです。夜は帰宅してすぐお風呂に入るので、その入浴前です。
この2回の差は、だいたい0.5〜1kgです。 上で見たタニタの「2kg程度」やあすけんの「0.5〜2kg」の中に収まる数字です。同じように毎日2回測っている方なら、自分の幅もすぐに分かると思います。
自分の1日の振れ幅がどれくらいかを知っておくと、夜の数字に理由がつきます。次の章から先は、この「自分の振れ幅」が判断の物差しになります。
測るのは「朝か夜か」ではなく「毎回そろえられるか」で選ぶ
朝と夜のどちらが正しい、という答えはありません。選ぶ基準は、自分が毎回そろえられる時間帯かどうかです。
理由は単純で、体重計の数字は条件の影響を強く受けるからです。条件が違う日どうしを比べると、増えたのか減ったのかが分からなくなります。
メーカーが勧めている測り方の条件
タニタが公式に挙げている条件は、次のとおりです。
- 毎日できるだけ同じ時間帯に測る
- 食後・入浴後は2時間以上あける
- 運動の直後を避ける
- 測る前に排尿・排便をすませる
- 裸足で、硬く平らで安定した床に置いて測る
- 体調が悪いとき、脱水やむくみがあるときは避ける
全部そろえるのは大変に見えますが、実際には「毎朝、起きてトイレに行ったあと」と決めるだけで、上の大半が自動的にそろいます。決め事は少ないほど続きます。
朝に測る人・夜に測る人、それぞれの決め方
- 朝に測る人:起床後、トイレをすませてから、着替える前に測ります。飲み食いの影響がいちばん少なく、条件がそろえやすい時間帯です。タニタも、いちばん低い数値が出やすいのはこのタイミングだとしています
- 夜に測る人:帰宅直後や入浴前など、食事と入浴の前で固定できる時間を選びます。朝より数字は重く出ますが、それでかまいません。夜は夜どうしで比べます
シチズン・システムズによると、体温は起床時がいちばん低く夕方にかけて上がり、体内の水分も午前中は全身にいきわたり、夕方は下半身に集まります。朝の数字と夜の数字を直接比べても意味がないのは、このためです。比べるのは、朝は朝どうし、夜は夜どうしです。
僕は朝と夜の2回、スマホのアプリに記録しています
僕は朝(起床後・トイレのあと)と夜(帰宅直後・入浴前)の2回、体重と体脂肪率を測って、スマホのアプリ4つに記録しています。入力まで含めて、かかる時間は1分ほどです。
回数は多ければいいものではありません。1日1回でも、時間帯がそろっていれば十分に線は引けます。大事なのは回数ではなく、条件のそろい方です。
毎日測るか、週1で測るか。研究は両方あります
「毎日測ったほうが減る」という研究と、「毎日測るよう指示しても差は出なかった」という研究の両方があります。だから、どちらかが正解という書き方はしません。
理由は、測る行為そのものより、測ったあとに何をするかが人によって違うからです。数字を見て食事を組み直せる人もいれば、数字を見た日だけ食べる量を極端に減らしてしまう人もいます。まず両方の研究を数字で並べて、そのあとで決め方を示します。
「毎日測ると減った」側の研究(3本)
1本目。Steinbergらの2015年の研究では、6ヶ月の減量プログラムに参加した47人を、体重を測った頻度で分けて比べています。毎日測っていた人は平均9.2kg減、毎日は測っていなかった人は3.1kg減で、その差は6.1kgでした。ただしこれは、もともと別の目的で行われた試験のデータを後から分け直した分析です。人数も47人と少なく、著者自身が「測る頻度は、プログラム全体をきちんと守れているかどうかの目印にすぎない可能性がある」と書いています。
2本目。Vuorinenらの2021年の研究では、スマート体重計の利用者9,768人を平均1,085日(約3年)追いかけています。測る頻度ごとの、1日あたりの体重の変化はこうでした。
- 毎日測る:−0.058kg(減っている)
- 1日おき:+0.012kg
- 週2〜4回:+0.036kg
- 週1〜2回:+0.028kg
- 月1回:+0.022kg
毎日測っていた群だけが、平均するとマイナス側にいます。ただしこれは観察研究で、測る回数を割り振った実験ではありません。もともと意識して取り組んでいる人ほど毎日測っている、という可能性を除けていません。

3本目。Helanderらの2014年の研究では、40人・2,838回分の測定を調べ、測る間隔が空くほど体重が増える方向だったと報告しています。計算上、体重が変わらないでいられる最長の間隔は5.8日、つまりほぼ週1回でした。日本肥満症予防協会も、この研究を紹介して「少なくとも週に1回以上」と伝えています。ただし40人の観察研究なので、ここも断定はできません。
「毎日でも差は出なかった」「つらくなった」側の研究(3本)
1本目。Madiganらの2014年の研究は、肥満のある成人183人を、毎日体重を測るよう指示する群と、そうでない群にくじ引きで割り振った試験です。3ヶ月後、毎日測る群は1.7kg減、比べた群は1.2kg減。差は0.5kgで、偶然の差と見分けがつきませんでした。著者の結論は「毎日測るよう指示することは、それだけを取り出した方法としては効果がない」でした。
割り振りをしたこの試験が示しているのは、「毎日測れば痩せる」とは言えないということです。上の3本と合わせて読むと、毎日測ることは「減っている人がよくやっている行動」ではあっても、「やれば減る仕掛け」とまでは言えません。
2本目。Bennらの2016年のメタ分析(29件の検定をまとめたもの)では、自分で体重を測ることと、不安や落ち込み・体型への見方・食行動の乱れとの間に、はっきりした関連は見られませんでした。著者らは「大部分において、自分で体重を測ることは心理的な悪影響とは関連しない」と結論づけています。ただし年齢・体重の状態・減った量・測った期間によって結果は左右されるとも書かれています。
3本目。Pacanowskiらの2023年の試験では、毎日測る群のほうが気持ちの揺れが大きくなり、体重に関するストレスが増え、体への満足度が下がりました。著者らは「単独の予防策として毎日測ることには注意が必要」としています。
ここで注意してほしいことがあります。 この3本目は、対象が18〜22歳の女子大学生69人・期間は2週間です。40代以上の男性や、長く測り続けている人に、そのまま当てはめることはできません。「若い人でこういう結果が出た研究もある」という読み方にとどめてください。
ケース別の決め方:この4つから選んでください
研究が割れている以上、決めるのは自分です。次の4つのどれかを選んでください。
- 数字を見ても気持ちが揺れない人:毎日測って、後の章で説明する「ならした線」を見ます。増えた日に理由を探せるので、修正が早くなります
- 数字を見ると落ち込む・食べる量を減らしすぎる人:週1回、同じ曜日、同じ時間、同じ条件に決めます。それでも「体重が増えていることに気づかない」状態は避けやすくなります。上のHelanderらの計算でも、週1回はぎりぎり間に合う間隔でした
- 測るのがしんどい時期の人:記録をやめる前に、「乗るだけ」に減らします。僕はバイトを掛け持ちして疲れが溜まり、朝の筋トレも食事の記録もできなくなった時期がありましたが、体重計に乗って記録することだけは続いていました。測ってアプリに入れるまで、かかる時間は1分ほどです
- とりあえず始めたい人:まずは毎朝1回にします。起きてトイレに行ったあと、という1つの決め事だけで条件がそろいます
数字を見るのがつらい状態が続くとき、体重計の数字のせいで食事の量が極端になっているときは、ひとりで抱えないでください。 かかりつけの医師や、管理栄養士・心療内科などの専門家に相談することをおすすめします。体重計は道具であって、我慢して付き合うものではありません。
何日分を見れば「本当に動いた」と言えるのか
昨日と今日を比べても、動いたかどうかは分かりません。判断に使う線は2本あります。①自分の1日の振れ幅より大きく動いたか、②週の平均どうしを比べて動いたか、です。
理由は、1日の中だけで0.5〜2kg動くからです。その幅の中の上下は、増えても減っても「たまたま」の範囲に入ってしまいます。
線①:自分の1日の振れ幅より大きく動いたか
まず、自分の振れ幅を知ります。やり方は簡単です。1週間、朝と夜の2回測って、いちばん重い数字といちばん軽い数字の差を見るだけです。僕の場合、朝と夜の差は0.5〜1kgです。
この幅の中での上下は、「動いた」とは呼びません。幅を超えて、しかも戻らないときに初めて「動いた」と考えます。 昨日より700g増えた朝があっても、振れ幅が1kgの人にとっては判断材料になりません。
線②:週の平均どうしを比べる(曜日のリズムに注意)
体重には曜日のリズムがあります。Orsamaらの2014年の研究によると、体重は日曜・月曜にいちばん高く、週の後半にかけて下がり、金曜以降にまた上がるという波が見られました。週末の食べ方や過ごし方が数字に出ている、と考えられます。
僕が減量中に入れていた日曜の昼のチートデイでも、翌朝の月曜は真ん中の値で+0.7kg増えていました。78週分の記録は、チートデイの翌朝の体重をまとめた記事に書いています。
だから、日曜の数字と水曜の数字を比べると、実際より減って見えることがあります。 比べるなら、同じ曜日どうしか、1週間まるごとの平均どうしです。実際、この研究でも本当の変化を判定するときは「観察の最初の1週間の平均」と「最後の1週間の平均」を比べています。
タニタも「毎日同じ時間に測り、1〜2週間単位で傾向を見る」ことを勧めています。判断の単位は、日ではなく週です。
僕が見ているのは、アプリのグラフの1ヶ月単位です
僕は毎日2回測っていますが、「今の体重」として見ているのは、1日ごとの数字ではありません。アプリのグラフを1ヶ月単位で見ています。
毎日の数字はギザギザです。そのギザギザを1ヶ月の幅で眺めると、線が上を向いているか下を向いているかだけが残ります。毎日の数字は、この線を引くための点です。
体重の線が動かない時期もあります。僕は体重と一緒に、腹囲も毎朝測っています。見る数字を1つに絞らないほうが、1本の線だけで判断を急がずにすみます。お腹まわりがいつ変わるかについては、つまめるお腹の脂肪が落ちる順番にまとめました。
体脂肪率が朝と夜で違うのはなぜか
体脂肪率が1日の中で動くのは、体組成計が脂肪そのものを測っていないからです。測っているのは、体に流した微弱な電流の通りやすさです。
体組成計は「脂肪」ではなく「電気の通りやすさ」を測っている
医師監修のユビーウェルネスによると、家庭用の体組成計は体に微弱な電流を流し、その通りやすさから体内の水分量を推定して、そこから脂肪の量を計算しています。脂肪は電気を通しにくく、水分や筋肉は通しやすいという性質を使った仕組みです。
つまり、体の水分の量や分布が変われば、脂肪が1gも変わっていなくても数字は動きます。食事や水分をとった後は低めに、排尿・入浴・運動の後は高めに出やすいとされています。
条件をそろえても0.3〜0.6%、そろえなければもっと動く
どれくらい動くのかは、数字が出ています。
- 条件を厳しくそろえた場合:Looneyらの2024年の研究では、測る時刻を朝7時に固定し、48時間以上激しい運動をせず、24時間以上お酒を飲まず、10時間以上絶食した状態で測っても、体脂肪率は1日の中で0.3%、日をまたぐと0.6%動きました
- ふだんの生活の中で測った場合:タニタは、自社の開発部社員の測定例として、体脂肪率は1日の中で最大1.2%の差が出ていることもあると紹介しています
「朝と夜で体脂肪率が2%違う」という声が珍しくないのは、測る条件がそろっていないことが大きいと考えられます。数字が動くこと自体は、機械の故障でも、体の異常でもありません。
体脂肪率の「絶対値」は、人と比べない
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
2021年にJMIR mHealth and uHealth誌に載った研究では、市販のスマート体重計3機種の数値を、病院で使われるDXAという基準の方法と比べています。結果はこうでした。
- 体重(kg)のズレの中央値:0.3kg/0kg/0.25kg(とても小さい)
- 脂肪の量(kg)のズレの中央値:−2.2kg/−4.4kg/−3.7kg(3機種とも、実際より少なく表示された)
著者らは「体組成については正確とは言えず、医療の現場でDXAの代わりにはならない」と結論づけています。調べられたのは特定の3機種なので、すべての家庭用体組成計が同じとは言えません。それでも、体脂肪率の絶対値を他人の数字や世間の目安と比べることには、あまり意味がないことは分かります。
ではどう使うか。同じ機械・同じ条件で測った、自分の数字の動きだけを見ます。 ズレの大きさが同じ方向にかかっているなら、上がった・下がったという動きは読み取れるからです。
僕自身、筋トレを再開した1ヶ月で、体重は減らずに約1kg増え、体組成計の表示では体脂肪はあまり変わらず、筋肉量が約500g増えていました。ただし、家庭用の体組成計の「筋肉量」も水分の影響を受けます。その500gが本当に筋肉だったのかは、僕には分かりません。 数字はそう出た、というところで止めています。
前日より増えていた日に、僕がやっていること
前日より増えていた日、僕がやることは1つだけです。前日の食事を振り返ります。
理由は、朝の数字が前日の食べ方をいちばん素直に映すからです。増えた理由が思い当たるかどうかが、その日の食べ方を考える材料になります。思い当たらなければ、振れ幅の範囲として流します。
起床直後を基準に、前日と比べる(日本の肥満症の行動療法の考え方)
この「増えた日に前日を振り返る」というやり方は、僕が思いついたものではありません。日本の肥満症の治療で使われてきた行動療法に、グラフ化体重日記という方法があります。
同友会メディカルニュースの解説によると、1日4回(起床直後・朝食直後・夕食直後・就寝直前)体重を測ってグラフにし、起床直後の体重を基準に、前日の起床直後と比べて「なぜ増えたのか」を自分で分析するというものです。1988年に大分医科大学の坂田利家氏が提唱したとされ、肥満症の行動療法として、日本内科学会雑誌の総説でも解説されています。
ここで大事なのは、基準が「起床直後」に固定されていることと、増えた理由を自分で探すところまでが1セットになっていることです。測るだけでは日記になりません。
ただし、これは肥満症の治療の中で使われてきた方法です。医療機関での治療と同じことを自己流でやる必要はありませんし、体重の管理に不安がある方は、まず医師に相談してください。ここでは「増えた日に前日を振り返る」という考え方だけを借りています。
僕は「前日の食事を振り返る」だけにしています
僕がやっているのは、体重が前日より増えていたときに、前日に何を食べたかを思い返すことです。それだけです。
一方で、「今の体重」として見ているのは1ヶ月のグラフのほうだと、前の章に書きました。振り返りは毎日、判断は1ヶ月の線で。この2つを分けておくと、1日の数字に行動のほうが振り回されずにすみます。
毎日やることは「思い返す」だけ。変えるかどうかは月に一度の線を見てから決める。僕はこの形にしています。
よくある質問
Q. 朝と夜、どちらの体重を記録すればいいですか?
どちらでもかまいません。大事なのは、毎回同じ条件でそろえることです。朝に測るなら「起床後・トイレのあと」、夜に測るなら「帰宅直後・入浴前」のように、生活の中で動かない時点を1つ決めてください。1日2回測る場合は、朝は朝どうし、夜は夜どうしで比べます。朝の数字と夜の数字を混ぜて並べると、増減が分からなくなります。
Q. 1日で1kg増えていました。太ったのでしょうか?
多くの場合、水分と食べ物の重さです。脂肪だけが1日で1kg増えるには、それだけのエネルギーを余分にとる必要があり、現実的ではありません。タニタも、1日の中で2kg程度の増減はおかしくないとしています。水分の出入りと体重の関係は、40代以上の水分のとり方と体重の見え方に詳しく書きました。
Q. 毎日測ると落ち込みます。やめたほうがいいですか?
研究は両方あります。29件をまとめたメタ分析では「大部分において心理的な悪影響とは関連しない」とされた一方、18〜22歳の女性を対象にした試験では気持ちの揺れが大きくなりました。つらいと感じるなら、週1回・同じ曜日・同じ条件に減らす選び方があります。それでも「増えていることに気づかない」状態は避けやすくなります。つらさが続くとき、体重計の数字のせいで食事の量が極端になっているときは、ひとりで抱えず、医師や管理栄養士などの専門家に相談してください。
Q. 体重が減りません。1ヶ月でどれくらい減れば順調ですか?
まず、判断の単位を1日から1〜2週間以上に広げてください。そのうえで減っていない場合の目安は、1ヶ月に何kg減らすのが現実的かの考え方にまとめました。なお、筋トレを始めた時期は体重が増えることもあります。その見方は、筋トレを始めて体重が増えたときの受け止め方に書いています。体組成計の数値は水分の影響を受けるので、1日の値ではなく数週間の傾向で見てください。
まとめ:1日の数字は読み飛ばし、線で判断する
- 朝と夜の差(多くの場合0.5〜2kg)は、水分と食べ物の重さ。脂肪ではない。僕の差は0.5〜1kg
- 「朝か夜か」ではなく「毎回そろえられるか」で選ぶ。起床後トイレのあと、帰宅直後の入浴前など、動かない時点を1つ決める
- 毎日測るか週1かは研究が割れている(毎日測っていた人が9.2kg減った分析と、毎日測るよう指示しても差が出なかった比較試験の両方がある)。数字で気持ちが揺れないなら毎日、揺れるなら週1回・同じ曜日
- 「動いた」と言えるのは、自分の1日の振れ幅を超えて、しかも戻らないとき。比べるのは週の平均どうし
- 体脂肪率の絶対値は人と比べない。市販の体重計3機種は脂肪量を2.2〜4.4kg少なく表示した。同じ機械・同じ条件での動きだけを見る
今日からの一歩は1つで足ります。次に体重計に乗るとき、測る時点を1つ決めてください。「起きてトイレに行ったあと」でも「帰ってお風呂に入る前」でもかまいません。決めた時点で測り続けた1〜2週間分の点が、初めて線になります。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。昨日より増えた数字にがっかりしたことがあるなら、それは意志が弱いからではありません。1日分の数字には、判断できるだけの情報が入っていないだけです。 僕も毎日2回、同じように数字と付き合っています。同じように体と向き合う一人として、線で見る側に回れたらうれしいです。
参考にした情報
- タニタマガジン「【1日の体重変化】朝と夜で体重や体脂肪率、筋肉量が変動するのはなぜ?」(2025年12月25日)
- タニタマガジン「体組成計の正しい使い方」(2021年10月1日)
- タニタ(業務用)「体組成を正確にはかるために気を付けたいこと」
- シチズン・システムズ「体組成計はいつ測る?正確なデータがとれる測り方を解説」
- あすけん「1日の計測時間によって体重は変わりますが、どれくらい変動があるものなのですか?」(2013年9月9日)
- ユビーウェルネス「体脂肪率が朝と夜で違うのはなぜ?正しい測り方と目安」(医師監修・2026年6月14日)
- Olsson KE, Saltin B.(筋グリコーゲンの増減にともなう体内の総水分量の変化を調べた研究)Acta Physiologica Scandinavica 80(1):11-18, 1970
- Steinberg DM ほか(毎日体重を測ることと減量の関係を調べた研究)Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics, 2015
- Vuorinen AL ほか(スマート体重計の利用者9,768人の測定頻度と体重変化を追った観察研究)Journal of Medical Internet Research 23(6):e25529, 2021
- Helander EE ほか(毎日の体重測定が途切れることと体重増加の関係を調べた研究)PLoS ONE 9(11):e113164, 2014
- 日本肥満症予防協会「体重は量らないと増える 週に1回以上の測定で肥満を予防」(2015年2月12日)
- Madigan CD ほか(毎日体重を測るよう指示する減量法の効果を調べた無作為化比較試験)International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity, 2014
- Benn Y ほか(自分で体重を測ることの心理的な影響を調べたメタ分析)Health Psychology Review 10(2), 2016
- Pacanowski CR ほか(若い女性を対象に毎日の体重測定が気持ちの揺れに与える影響を調べた無作為化試験)Applied Psychology: Health and Well-Being, 2023
- Orsama AL ほか(体重の曜日ごとのリズムを調べた研究)Obesity Facts, 2014
- Looney DP ほか(多周波の生体電気インピーダンス法による体組成測定の再現性・生物学的変動・正確さを調べた研究)Frontiers in Nutrition, 2024年12月3日
- Accuracy of Smart Scales on Weight and Body Composition(市販のスマート体重計3機種の体重・体組成の正確さをDXAと比べた観察研究)JMIR mHealth and uHealth 9(4):e22487, 2021
- 吉松博信「1.肥満症の行動療法」日本内科学会雑誌 100巻4号 917-927頁(2011年)
- 同友会メディカルニュース「肥満症の対策ー行動療法についてー」(2020年12月号)
※この記事は、運営者個人の体験と一般的に知られている情報をもとにまとめたものです。効果や感じ方には個人差があり、特定の効果を保証するものではありません。持病のある方・体調に不安のある方は、実践の前に医師などの専門家にご相談ください。詳しくは免責事項をご覧ください。







