
朝起きたら足が痛くて、階段を降りるのもひと苦労。今日の筋トレは休むべきか、それとも続けるべきか。休めばせっかくの習慣が途切れそうで、無理をすればケガをしそうで、決められない。週に何日も筋トレを続けたい40代以上の方に向けて書きました。
結論を先に書きます。僕の場合、筋肉痛の朝は「足は外す、上半身は痛ければ軽くして続ける」です。決め手は、その朝に体を動かしてみることです。
- 足が階段を降りられないほど痛い日は、足の種目を外します。上半身は続け、上半身も痛むときは重さを軽くします
- 休み明けの筋肉痛は、1ヶ月休んでも9ヶ月休んでも、僕は同じように強く出ました。研究では、筋肉痛を軽くする守りが半年ほど残ったという結果があります。ただ、若い人の腕の実験で、僕の実感とは合いませんでした
- 痛いまま同じ運動をしても悪化しなかった研究はあります。ただし若い男性12人の腕の実験です
- 関節や一点がズキッと痛む、尿が紅茶のような色になった、日にちが経っても軽くならない。こんなときは筋肉痛と決めつけず、筋トレをやめて医療機関に相談してください
僕は健康や栄養の資格を持っていない、一般の47歳です。日曜以外の朝に、職場のジムで30分、全身の種目を少しずつやっています(腰が痛むときは休むこともあります)。日曜は家でバックランジをしています。腰痛とテニス肘で筋トレを休みがちになり、そのあと疲れで朝起きられなくなって、9ヶ月やめていた時期もあります。
ネットで調べると「筋肉痛の日は休むべき」という記事と、「軽くなら動いてもいい」という記事が並んでいます。「筋肉痛は効いている証拠」と書く記事もあります。どれを信じればいいのか迷うのは、当たり前だと思います。
この記事を読み終えると、筋肉痛の朝に「どこを外し、どこを軽くして続けるか」を、自分の体で確かめて決められます。休み明けに強く痛む理由について、研究で分かっていることと、僕の実感とのずれも整理します。病院に行くべき痛みかどうかの目安も持てます。
読む方の状況によって、先に読む章が変わります。
- 今日、筋肉痛で迷っている人:次の章と「痛い朝、僕がしていること」の章へ
- 休み明けにだけ強く痛む人:「休み明けは、いつも激痛」の章へ
- 筋肉痛が出なくて不安な人:「筋肉痛がなくても大丈夫」の章へ
- ただの筋肉痛か不安な人:「ただの筋肉痛?受診の目安」の章を、最初に読んでください
足は外し、上半身は軽く
いまの僕は、ふだんの筋肉痛の朝に、筋トレを丸ごと休むことも、痛みをこらえて全部やることもしません。足が痛ければ足の種目を外し、上半身が痛ければ重さを軽くして続けます。
ここに書くのは、あくまで僕の場合です。痛みの出方や感じ方は人によって違うので、そのまま真似するのではなく、自分の体で確かめてください。
決め手は、朝に動かしてみること
どれくらい軽くするかは、あらかじめ決めていません。その朝に実際に体を動かしてみて決めます。痛みが消えたかどうかも、動かしてみて判断しています。「◯日休んだら戻す」という決まりはありません。
スポーツ選手向けに筋肉痛の研究をまとめたレビュー論文(Cheungら 2003)は、毎日練習する選手について、強い筋肉痛のあと1〜2日は運動の強さと時間を下げるか、あるいは影響の少ない部位の運動に切り替えることを挙げています。
ケガの痛みの日は、休む
筋肉痛とは別に、腰痛やテニス肘のようなケガの痛みの日は、いまは無理せず休みます。前は休むことに抵抗があって、痛くない部位だけでもやろうとしていました。いまは、仕事や私生活に響くほうが怖いので、とにかく無理をしないようにしています。ケガの痛みが続くときは、医療機関に相談してください。
中学は痛くても休めず
僕が初めて筋トレをしたのは、中学の陸上部(短距離)です。朝練も放課後も、日曜も部活がありました。
中学校のグラウンドにあったデクラインベンチ(頭のほうが低くなる台)でクランチをして、お腹が筋肉痛になり、笑うこともできなかったのを覚えています。それでも、痛いまま、同じクランチを続けていました。当時のことを、僕の言葉でいうと、こうです。
「休める訳ありません(笑)」「根性で部活をやる時代です」
いまの僕は、痛い部位を同じ重さのまま鍛えることはしません。足は外し、上半身は軽くします。中学のころとは、痛い朝の過ごし方が違います。
休み明けは、いつも激痛
筋トレをしばらく休んでから再開すると、僕は足に強い筋肉痛が出ます。ほかの部位は、さほど痛くなりません。休んだ長さは、次の3つを経験しています。
- 約1ヶ月:腰痛かテニス肘で休んだとき
- 3ヶ月:大ケガで筋トレができなかったとき(工作機械で指を切断した、チェーンソーで足を切った)
- 9ヶ月:アルバイトの掛け持ちの疲れで朝起きられなくなり、やめていたとき
1ヶ月のときも9ヶ月のときも、足が3〜4日、階段を降りられないほど痛みました。3ヶ月のときも同じです。
1ヶ月でも9ヶ月でも一緒
休んだ長さで、筋肉痛の強さが変わった感じはありません。僕の言葉でいうと、こうです。
「筋肉痛は1ヶ月休んでも9ヶ月休んでも一緒です」
痛いけど、もっとやりたかった
9ヶ月ぶりに再開したときの筋肉痛を、僕はこう感じていました。
「痛いけど心地良く、筋トレしたという実感につながっているので、もっとやりたくなりました」
それでも、強く痛む日は筋トレを全部休み、痛みがだいぶ軽くなった日にジムへ行きました。2日おきくらいです。体が動かなかったからではありません。ケガが怖くて、自分で休むと決めました。そこから1週間で、30分・週6日の形に戻しています。
再開した日は、それまであまりやらなかったストレッチ(首・肩まわりと腰まわり)を入念にして、ダンベルもだいぶ軽くしました。胸の種目でいうと、中断前の45ポンドを、再開初日は20ポンドにしています。厚生労働省の資料も、筋トレは少しずつ負荷を高めていくことを勧めています。再開のときにしたことは、筋トレの中断から再開までの段取りの記事にまとめています。
研究と僕の実感のずれ
休み明けに強い筋肉痛が出やすいのは、同じ運動をくり返すと、次の筋肉痛が軽くなるという体の性質が関係していると考えられています。研究の世界では「くり返し効果(repeated bout effect)」と呼ばれます。しばらく運動をやめると、この守りの働きは薄れていきます。レビュー論文(Cheungら 2003)も、活動を減らした時期のあと、練習に戻るときに筋肉痛が多いと書いています。
では、守りはどのくらい続くのか。研究の答えと、僕の実感は違いました。
守りは6ヶ月残り、12ヶ月で消えた
2001年のNosakaらの研究では、男子学生35人(平均19.9歳)が、腕の筋肉が伸ばされながら力を出す、負荷の強い運動を1回行いました。そして時間をおいて、同じ運動をくり返しました。
- 6ヶ月後:筋肉痛も軽くなっていた(守りが残っていた)
- 9ヶ月後:筋力の戻りの速さと、力を入れて肘を曲げたときの角度にだけ守りが残っていた。筋肉痛の守りは、はっきりした差がなかった
- 12ヶ月後:守りは見られなかった
ただし、守りが残っていた6ヶ月後も、筋肉痛は1回目の約7割(論文の数字から計算)で、なくなったわけではありません。
別の研究(Nosakaら 2005・若い男性30人)では、4週後と8週後はどの指標でも守りが残っていました。12週後も、筋力・筋肉痛・血液の指標では守りが残り、関節の角度などほかの指標では見られなくなっていました。なぜ守りができるのかという仕組みは、まだはっきりしていません(McHugh 2003)。

1ヶ月で痛んだのは説明しきれない
9ヶ月やめたあとの僕の筋肉痛は、9ヶ月後には筋肉痛の守りがはっきりしなかった、という研究の結果と矛盾しません。
一方で、研究では4週(約1ヶ月)でも12週(約3ヶ月)でも、筋肉痛の守りが残っていました。それでも僕は、1ヶ月でも3ヶ月でも、足が階段を降りられないほど痛みました。守りは痛みを軽くするもので、ゼロにするものではありません。ただ、階段を降りられないほどの痛みは、研究だけでは説明しきれません。
研究は、若い人が腕で強い運動を1回し、時間をおいてもう1回くり返した実験です。僕の場合は足で、ふだん続けている筋トレを休んだあとの話です。年齢も部位も運動のやり方も違います。研究の数字は、日常の筋トレにそのまま当てはめないほうが安全です。僕の体験も、僕1人のものです。
痛い朝、僕がしていること
ここからは、筋トレを続けている時期の僕のやり方です。休み明けではなく、ふだんの筋肉痛の朝の話です。くり返しになりますが、僕の場合で、誰にでも合うとは限りません。厚生労働省の資料が勧める筋トレは、休息日を入れた週2〜3日です。週6日の僕のやり方は、この目安より多く、真似を勧めるものではありません。
足が痛い日:足とHIITを外す
足が痛い日は、階段も降りられないので、足の種目はできません。僕の言葉でいうと、こうです。
「足など痛い時は少しもできないので、上半身に絞った筋トレを行います」
具体的には、こう分けています。
- 外す:バックランジやブルガリアンスクワットなど、足の種目
- 外す:HIIT(短い時間で息が上がるまで動く運動)。僕のHIITにはワイドスクワットが入っているので、やりません
- やる:クランチ(お腹の種目)
- やる:上半身の種目。上半身も痛むときは、重さを軽くする
- 戻す:足の種目とHIITは、動かしてみて足の痛みが消えていたら戻す
僕のHIITの中身(ワイドスクワット・クロスニーアップ・サイドニーアップ・ヒップタップ)と、筋トレとの組み合わせ方は、筋トレの合間にHIITを挟む朝30分の流れの記事に書いています。
日曜はストレッチとクランチ
日曜は、ふだん家でバックランジをする日です。足が痛い日曜は、ストレッチとクランチだけにしています。
上半身が痛い日:軽くして続ける
上半身は、筋肉痛でも動かせなくなるほどの痛みにはなりません。だから、無理しない程度に重さを軽くして、痛い部位の種目も続けます。たとえば背中が筋肉痛の日は、重さを軽くして背中の種目もやります。
ちなみに、背中の筋肉痛では、こんなこともありました。筋肉痛の日の話ではなく、ふだんの重さを見直したときのことです。背中の種目を35ポンドから25ポンドに下げてフォームを直したら、肩甲骨がきちんと動くようになり、次の日に背中が筋肉痛になったことがあります。このとき、改めてフォームの大切さを実感しました。
痛い部位を外したり軽くしたりして、痛みが長引くなど、うまくいかなかったことはいまのところありません。ただ、これも僕1人の経験です。
全身法だから、外しやすい
痛い部位だけを外しやすいのは、僕が「全身法」で筋トレをしているからです。全身法は、曜日で部位を分けずに、1回で全身の種目を少しずつやる組み方です。
僕は、胸と背中、上腕二頭筋と上腕三頭筋のように、反対の働きをする筋肉(拮抗筋)を交互に並べています。足の種目を抜いても、胸と背中、上腕二頭筋と上腕三頭筋の組はそのまま残ります。組み方の詳しい中身は、全身法で30分に収める組み方と、上半身の種目の並べ方の記事に書きました。
僕が全身法を選んでいる理由の1つは、40代になって、一部位を追い込むとケガをしやすいと考えているからです。
痛いまま鍛えると悪化?
痛いまま同じ筋肉を運動しても、筋肉の傷みが悪化したり回復が遅れたりはしなかった、という研究があります。ただし、若い男性12人の腕の実験です。それでも、痛い部位は力と動く範囲が落ちていることがあるので、無理に同じ重さで動かさないほうが安全です。
悪化しなかった研究(腕)
1995年のNosakaとClarksonの研究では、筋トレの経験がない男性12人(平均21.7歳)が、腕に強い負荷がかかる運動を行いました。そして、筋肉がまだ回復しきっていない3日後と6日後に、同じ運動をくり返しました。
結果は、筋肉の傷みが悪化することも、回復が遅れることもありませんでした。
ただし、この研究から「筋肉痛の日も同じ部位を同じように鍛えてかまわない」とまでは言えません。調べたのは若い男性の腕だけです。40代以上の人の、足の筋トレで同じ結果になるかは分かっていません。
痛い部位は、力が落ちている
筋肉痛の間は力が出にくく、関節を動かせる範囲も狭くなることがあります。レビュー論文(Cheungら 2003)は、この状態で早く元の運動に戻ると、ケガをするおそれがあると指摘しています。
力が落ちたまま、いつもの重さを持つと、フォームが崩れやすくなるおそれがあります。僕の足のように「少しもできない」ほどの痛みなら、なおさら無理に動かす場面ではありません。
40代以上は、痛みを小さく感じる?
40代以上は、筋肉痛が軽いからといって、筋肉が傷んでいないとは限りません。
2008年のLavenderとNosakaの研究では、平均48.0歳の男性12人と、平均19.4歳の男性12人に、同じ腕の運動をしてもらいました。
- 筋肉の傷みを示す指標:2つのグループで差はなかった
- 筋肉痛:平均48歳のグループは、若いグループの約半分だった
つまり、平均48歳のグループは、傷み方は若い人と同じくらいなのに、痛みは小さく感じていたことになります。
ただし、これは1つの研究で、人数も各12人です。腕の運動だけを調べたもので、女性は含まれていません。「40代以上は必ず痛みを感じにくい」という意味ではありません。それでも、「痛みが軽いから、昨日と同じ部位を追い込んでも平気」と考えないための材料にはなります。
筋肉痛がなくても大丈夫
筋肉痛が出なくても、筋トレの効果が出ていないとは限りません。「筋肉痛は筋肉がついている証拠」という説明を見かけますが、この説明を裏づける研究は見つかりませんでした。反対に、筋肉痛がなくても筋肉が増えたという研究があります。
2011年のFlannらの研究では、大学生14人が、脚の筋肉が伸ばされながら力を出す自転車こぎの運動を週3回・8週間続けました。筋肉の傷みの兆候が見られなかったグループと、見られたグループを比べると、筋肉の量(+6.5%と+7.5%)も筋力(+25%と+26%)も、同じくらい増えていました。若い人の少人数の研究で、ふつうの筋トレとは違う運動です。
僕は、筋トレを続けている時期は、筋肉痛がほとんど出ません。それでも、「効いていない」と不安になることはありません。
筋肉痛の有無で効いたかどうかを判断するより、続けられているか、少しずつ負荷を上げられているかで見るほうが、迷いにくくなります。
ただの筋肉痛?受診の目安
筋肉痛は、運動で使った筋肉が、遅れて痛むものです。運動から48〜72時間後(2〜3日後)に痛みがいちばん強くなることが多いと報告されています(Hotfielら 2018)。慣れない運動や、筋肉が伸ばされながら力を出す動き(スクワットでしゃがむとき、ダンベルをゆっくり下ろすときなど)で起きやすく、なぜ遅れて痛むのかは、まだ完全には分かっていません。
一方で、関節や一点がズキッと痛む、尿の色がおかしい、日にちが経っても軽くならない。こうした痛みは筋肉痛と決めつけず、筋トレをやめて医療機関に相談してください。
ここに書くのは、あくまで目安です。痛みの原因を自分で見分けることはできません。迷ったら受診してください。
筋肉痛とケガの痛みの違い
僕は、筋トレを休みがちになった腰痛とテニス肘で、病院の診断を受けたことがあります。そのときの痛みと筋肉痛の違いを、僕の言葉でそのまま書きます。
「筋肉痛は筋肉が裂けそうな痛みで、腰痛は、腰の椎間板がズキッと痛み、テニス肘は、肘を捻った時、前腕にズキッとした痛みが走るので、明確に痛みは違います」
「椎間板」は痛む場所の感じを表した僕の言い方で、診断名ではありません。僕の場合、筋肉痛は「裂けそう」な痛みで、ケガは「ズキッ」と走る痛みです。ただし、これは僕の感じ方です。痛みの感じ方には個人差があり、この違いで自分の痛みを診断することはできません。
こんなときは筋トレをやめて受診を
次に当てはまるときは、自己判断で続けずに、医療機関に相談してください。
- 運動中に、関節や筋肉に強い痛みを感じた
- 関節や、一点がズキッと痛む
- 尿が紅茶のような赤褐色になった
- 力が入らない状態が続いている
- 日にちが経っても痛みが軽くならない、または強くなっていく
厚生労働省の資料も、運動中に関節や筋肉の強い痛みなどを感じたら、ただちに運動を中止するよう書いています。また、コレステロールを下げる薬(スタチン系)は、筋肉痛や筋力の低下を起こすことがあると注意を呼びかけています。薬を飲んでいて、いつもと違う筋肉痛が出たときは、自己判断で薬をやめずに、主治医に相談してください。
尿の色については、激しい運動が原因の1つになる「横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)」という病気があります。MSDマニュアル家庭版によると、筋肉痛・筋力の低下・赤褐色(紅茶色)の尿が典型的な3つの症状です。ただし、3つがそろうのは10%未満とされています。尿の色がいつもと違うときは、筋肉痛だけと思い込まず、できるだけ早く医療機関を受診してください。
状況別の選び方
ここまでの内容を、状況別にまとめます。どれも、持病がある方や体に不安がある方は、医師に相談してからが前提です。

- まず:その朝に体を動かしてみて、どこがどれくらい痛むかを確かめる
- 動かせないほど痛い部位(僕の場合は足):その部位の種目を外し、痛くない部位を続ける
- 動かせる痛み(僕の場合は上半身):重さを軽くして続ける
- 動かしている最中に痛みが強くなった:その場でやめる
- 関節や一点がズキッと痛む・尿の色がおかしい・痛みが長引く:筋トレをやめて医療機関に相談する
- しばらく休んでいて再開する:休む前より軽い重さから始める
- 筋肉痛がまったく出ない:痛みではなく、続けられているかで見る
上の2つ目と3つ目の「外す」「軽くして続ける」は、僕が筋肉痛の朝にしている形です。厚生労働省の資料(運動を指導する立場の人向け)は、翌日の生活に支障が出るほどの疲れは、運動の強さや量が多すぎるサインで、まず休み、次からは控えめにするよう書いています。同じ資料の運動前の体調確認には「足腰の痛みが強い」という項目があり、当てはまるときは無理に運動をせずに休むよう勧めています。迷う朝は、休むほうを選んでかまいません。
再開する人は、休み明けは筋肉痛が強く出やすいと先に知っておくだけでも、慌てずに済みます。
なお、筋肉痛ではなく寝不足で休むか迷う朝は、判断の軸が変わります。その場合は、寝不足の朝に筋トレを休むか決める目安の記事を参考にしてください。筋トレ全体の進め方は、筋トレを始める順番と安全のルールの記事にまとめています。
よくある質問
Q. 筋肉痛は何日休めばいいですか?
「◯日休めばいい」という、研究で決まった日数は見つかりませんでした。選手向けのレビュー論文(Cheungら 2003)は、強い筋肉痛のあと1〜2日は運動の強さと時間を下げるか、あるいは影響の少ない部位の運動に切り替えることを挙げています。僕は日数では決めず、朝に動かしてみて、痛みが消えていたら外した種目を戻しています。日にちが経っても痛みが軽くならないときは、医療機関に相談してください。
Q. 休みが長いほど筋肉痛はひどい?
研究では、筋肉痛を軽くする守りは、1回の運動のあと6ヶ月後には残っていましたが、9ヶ月後には筋肉痛の差がなくなり、12ヶ月後には守りそのものが見られなくなりました(若い人の腕の実験)。ただし守りは痛みを軽くするもので、ゼロにはしません。この結果からは、休みが長いほど守りが薄れて痛みやすい、と考えられます。ただ、僕の実感は違いました。1ヶ月休んでも9ヶ月休んでも、足が3〜4日、階段を降りられないほど痛みました。僕の言葉では「筋肉痛は1ヶ月休んでも9ヶ月休んでも一緒です」。休んだ長さに関係なく、再開の日は軽い重さから始めると無理がありません。
Q. 上半身だけ痛いときは?
僕は、上半身の筋肉痛は動かせなくなるほどにはならないので、重さを軽くして、痛い部位の種目も続けています。どれくらい軽くするかは決めておらず、その朝に動かしてみて決めます。ただ、これは僕の場合です。動かしてみて痛みが強くなるなら、その部位は外してください。
Q. 軽く体を動かすと早く治る?
2006年のZainuddinらの研究では、筋肉痛が出た腕を、軽い負荷で曲げ伸ばしする運動をすると、筋肉痛は一時的に和らぎましたが、回復そのものは早まりませんでした(腕の実験で、ウォーキングを調べた研究ではありません)。軽く動くと楽になることはあっても、治りを早める方法ではない、ということです。痛みが強いときや、関節が痛むときは無理に動かさないでください。
Q. 40代以上は筋肉痛が遅れて出る?
「年を取ると筋肉痛が遅れて出る」という話はよく見かけますが、はっきりした根拠は見当たりませんでした。年齢で比べた研究では、平均48歳の男性は若い男性より筋肉痛が約半分だった、という結果があります(各12人・腕の運動)。遅れて出るかどうかより、「痛みが軽くても傷みは同じくらいかもしれない」という点を覚えておくと安全です。
Q. 筋肉痛を早く和らげる方法は?
2018年のDupuyらが99の研究をまとめた分析では、運動後の回復方法の中で、マッサージが筋肉痛と疲れた感じを和らげるのに最も効果的でした。ただし、効果の大きさには研究ごとに幅があります。感じ方には個人差があるので、痛みが強い、長引くといったときは医療機関に相談してください。
まとめ:動かして決める
- 筋肉痛の朝は、全部休むか全部やるかの二択にしなくていい
- 僕の場合は、足が痛ければ足の種目とHIITを外し、上半身が痛ければ重さを軽くして続ける。決め手は、その朝に動かしてみること
- 休み明けの筋肉痛は、僕は1ヶ月でも9ヶ月でも同じように強く出た。研究の「守りは6ヶ月残る」とは合わない
- 痛い部位は力と動く範囲が落ちていることがあるので、同じ重さのまま動かさないほうが安全
- 痛みが軽くても、筋肉が傷んでいないとは限らない
- 筋肉痛が出ないのは、効いていない証拠ではない
- 関節や一点のズキッとした痛み、紅茶色の尿、長引く痛みは、筋トレをやめて医療機関に相談する
今日からの一歩は、1つで足ります。明日の朝、体を動かしてみて、痛い部位を確かめてください。どこが痛くて、どこなら動かせるかが分かれば、外すか、軽くして続けるかを選べます。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。中学のころの僕は、痛くても休めませんでした。いまは、痛い朝はまず体を動かして、確かめてから決めています。最後に、僕から一言です。
「痛みは人それぞれ、あなたにしかわからない物。みんなはやるからとかでなく、自分の判断で無理なく!身体を壊したら元も子もないですよ!!」
参考にした情報
Hotfiel T ほか(遅発性筋肉痛の起こり方と診断をまとめた総説)Sportverletzung Sportschaden, 2018
Cheung K, Hume P, Maxwell L(遅発性筋肉痛の対処と運動への影響をまとめたレビュー)Sports Medicine, 2003
Nosaka K ほか(男子学生35人で、筋肉痛を防ぐ守りがどれだけ続くかを調べた研究)Medicine & Science in Sports & Exercise, 2001
Nosaka K ほか(筋肉痛を防ぐ守りが時間とともに弱まるかを調べた研究)Canadian Journal of Applied Physiology, 2005
McHugh MP(くり返し効果の仕組みをまとめたレビュー)Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports, 2003
Nosaka K, Clarkson PM(筋肉痛が残る状態で同じ運動をくり返したときの影響を調べた研究)Medicine & Science in Sports & Exercise, 1995
Lavender AP, Nosaka K(中年男性と若い男性で、運動後の筋肉の傷みと筋肉痛を比べた研究)Journal of Science and Medicine in Sport, 2008
Flann KL ほか(筋肉の傷みがなくても筋肉が大きくなるかを調べた研究)Journal of Experimental Biology, 2011
Zainuddin Z ほか(軽い運動が筋肉痛と回復に与える影響を調べた研究)Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism, 2006
Dupuy O ほか(運動後の回復方法の効果を99の研究でまとめたメタ分析)Frontiers in Physiology, 2018
厚生労働省「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023の資料)
厚生労働省「筋力トレーニングについて」(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023の資料)
※この記事は、運営者個人の体験と一般的に知られている情報をもとにまとめたものです。効果や感じ方には個人差があり、特定の効果を保証するものではありません。持病のある方・体調に不安のある方は、実践の前に医師などの専門家にご相談ください。詳しくは免責事項をご覧ください。








