「消費カロリーって、結局なに?」と思ったことはありませんか。ダイエットで「消費カロリーが摂取カロリーを上回れば痩せる」とはよく聞きます。でも、その“消費”の中身までは、意外と知らないままの方が多いです。
結論から言います。1日に使うカロリー(消費カロリー)は、大きく3つに分かれます。そして、食べる量を「基礎代謝(じっとしていても使うカロリー)」より下まで極端に減らすことは、専門家は勧めていません。
僕(りきanela)は43歳のとき人生最高体重になり、そこから1年5か月で12kg減量しました。今は47歳。正直に言うと、リバウンドの真っ最中です。減らすことも、戻ることも、両方を体で経験しました。
消費カロリーの中身が分かると、「どこを増やせば使う量が増えるのか」「どこは減らしてはいけないのか」が自分で見えてきます。無理のない減らし方を、自分で選べるようになります。この記事では、その3つの内訳を一つずつ見ていきます。
そもそも消費カロリーとは?1日に使うカロリーは3つに分かれる
1日に使うカロリーは、次の3つの合計です。割合の目安もあわせて覚えると分かりやすいです(出典:厚生労働省e-ヘルスネット、健康長寿ネット)。
- 基礎代謝(じっとしていても使うカロリー)…約6割
- 活動代謝(体を動かして使うカロリー)…約3割
- 食事誘発性熱産生(食べたときに使うカロリー)…約1割
一番大きいのは基礎代謝で、全体の約6割を占めます。ここが消費カロリーの土台です。
前回、「消費カロリーが摂取カロリーを上回る状態(アンダーカロリー)を作ると痩せる」というお話をしました。今回は、その“消費”の中身を分解します。アンダーカロリーそのものを復習したい方は、前回の記事もあわせてご覧ください。
1つめ・基礎代謝=じっとしていても使うカロリー(約6割)
基礎代謝とは、じっとしていても使う最低限のエネルギーです。呼吸をする、体温を保つ、内臓を動かす。生きているだけで使われるカロリーのことです。何もしていない時間にも、体はカロリーを使い続けています。
40代・50代の基礎代謝の目安は、次のとおりです(出典:日本人の食事摂取基準2025年版)。これは参照体重(基準となる体重)での目安です。実際の値は、体重や筋肉量によって一人ひとり違います。
- 男性30〜49歳:約1,570kcal
- 男性50〜64歳:約1,510kcal
- 女性30〜49歳:約1,170kcal
- 女性50〜64歳:約1,120kcal
年齢が上がると、基礎代謝は下がっていきます。理由は、筋肉(正確には除脂肪量=脂肪以外の重さ)が減るからです(出典:e-ヘルスネット)。筋肉は、じっとしていてもカロリーを使う組織です。その量が減れば、土台の基礎代謝も下がります。
「40代になって前より痩せにくい」と感じるのは、まさにこれが理由です。あなたの努力が足りないからではありません。体の仕組みとして、使うカロリーの土台が少しずつ下がっているのです。だからこそ、この土台を守る食べ方が大切になります。
2つめ・活動代謝=体を動かして使うカロリー(約3割)
活動代謝とは、体を動かして使うカロリーです。全体の約3割を占めます。ここで大事なのは、運動だけではないという点です。
活動代謝には、次のような日常の動きも全部含まれます。
- 通勤で歩く、階段を使う
- 掃除、洗濯、料理などの家事
- 買い物で荷物を持つ
ジムでの運動はもちろんですが、こうした毎日の細かい動きの合計が、活動代謝の大きな部分を作ります。座っている時間が長い生活と、こまめに動く生活とでは、ここに差が出ます。
僕自身、ここで失敗しました。減量していた頃は、筋トレとランニングを続けていました。でも、ケガをしたことと、アルバイトを掛け持ちして朝起きられなくなったことが重なり、どちらもやめてしまいました。運動をやめると、活動代謝が落ちます。使うカロリーが減れば、同じ食事でも余りやすくなります。これがリバウンドの一因になりました。
ここから学べることは、「特別な運動を再開しなきゃ」と気負わなくてもいい、ということです。まずは通勤で一駅歩く、階段を使う。そんな日常の動きを少し増やすだけでも、活動代謝は積み上がります。
3つめ・食事誘発性熱産生(DIT)=食べたときに使うカロリー(約1割)
食事誘発性熱産生(DIT)とは、食べたときに使うカロリーです。食べたものを消化・吸収するときにも、体はエネルギーを使います。食後に体がぽかぽかする、あの感覚がこれです。全体の約1割を占めます。
面白いのは、何を食べるかでDITの大きさが変わる点です。栄養素ごとの目安は次のとおりです(出典:e-ヘルスネット)。
- たんぱく質だけを食べた場合:約30%
- 糖質だけを食べた場合:約6%
- 脂質だけを食べた場合:約4%
たんぱく質は、消化に使うカロリーが飛びぬけて大きいことが分かります。肉・魚・卵・大豆などに多く含まれる栄養素です。
ここから2つ言えます。1つめは、食べる量を極端に減らすと、このDITも一緒に減ってしまうこと。2つめは、たんぱく質を毎食にとり入れると、食べたときに使うカロリーを保ちやすいことです。減らすことばかり考えず、「たんぱく質は減らさない」を意識すると、この1割を味方にできます。
摂取カロリーを「基礎代謝以下」にしてはいけない理由
食べる量を基礎代謝より下まで減らすことは、専門家は勧めていません。早く痩せたくて食事をぐっと減らすと、かえって痩せにくい体になると言われているからです。
流れはこうです。極端に食べる量を減らす。すると体は、足りないエネルギーを筋肉を分解して補おうとします。筋肉が減ると、土台の基礎代謝が下がります。基礎代謝が下がると、以前より使うカロリーが少ない体になります。だから、少し食べただけでも戻りやすくなります。これがリバウンドしやすいと言われる仕組みです。
もう1つ、減らしすぎたときに起きることがあります。最初の数日で体重が大きく落ちても、その多くは脂肪ではなく水分です。ここを勘違いすると、うまくいっている気になって減らしすぎが続きます。体重計の数字の読み方は「水分補給と体重計の読み方」で説明しています。
一つ正直にお伝えします。「基礎代謝を下回ってはいけない」という具体的なラインは、国が定めた公的な数値基準ではありません。専門家が実務でよく使う目安です。ですので断定はできませんが、「土台を削るような減らし方は避けたほうがよい」という考え方として受け取っていただければと思います。
前回、「無理な目標を立てない」というお話をしました。これはそのまま、この記事につながります。「食事を極端に減らす」という目標は、土台の基礎代謝を削ってしまうので、続かないうえに戻りやすいのです。
僕もここでつまずきました。使っていた食事管理アプリを、サブスクの整理で解約しました。すると、食べたものの記録が止まり、管理がおろそかになりました。減らしすぎと管理不足、その両方がリバウンドにつながったと感じています。だからこそ、「土台は削らない」を今の自分にも言い聞かせています。
まとめ
1日に使うカロリー(消費カロリー)は、基礎代謝(約6割)・活動代謝(約3割)・食事誘発性熱産生(約1割)の3つに分かれます。一番大きい基礎代謝が、消費カロリーの土台です。
では、次に何をすればいいか。まずは、自分の基礎代謝の目安を知ることから始めてみてください。この記事の目安の数値(男性なら約1,510〜1,570kcal、女性なら約1,120〜1,170kcal)が出発点になります。そのうえで、食べる量を基礎代謝より下まで極端に減らさないことを、一つの線引きにしてみましょう。減らすより、日常の動きとたんぱく質で“使う側”を守る。これが、40代からの無理のない進め方だと僕は考えています。
参考にした情報
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」
- 健康長寿ネット(長寿科学振興財団)「エネルギー消費量の測定方法」
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
この記事は、カロリー管理・4ステップのSTEP2(消費カロリーを知る)にあたります。全体の地図は「カロリー管理の始め方」の記事にまとめています。
※この記事は、運営者個人の体験と一般的に知られている情報をもとにまとめたものです。効果や感じ方には個人差があり、特定の効果を保証するものではありません。持病のある方・体調に不安のある方は、実践の前に医師などの専門家にご相談ください。詳しくは免責事項をご覧ください。







