
40代に入ったあたりから、何をやれば痩せるのか分からなくなっていませんか。走るのはひざが心配で、ジムに通う時間もない。そんなときに見つけた「筋トレで基礎代謝を上げれば痩せる」という言葉に、期待をかけている方も多いと思います。
先に結論を書きます。
- 筋トレで基礎代謝(じっとしていても使うカロリー)は上がる。ただし、その大きさは思っているよりずっと小さい
- それでも下半身を鍛える理由はある。年齢とともにはっきり減っていく筋肉は、主に下半身だと報告されている
- ふつうの強さのバックランジは、ジョギングの代わりにはならない。体重を減らす土台は食事
- 回数の目安は、この記事では示さない。まずは1セット、ひざに負担がかからない範囲で
書いているのは、健康や運動の資格を持たない一般の47歳、りきanelaです。
僕は43歳だった2022年4月から、1年5か月で約12kg減らしました(朝の体重で66.8kg→54.9kg)。バックランジは、この減量を始める前の2021年ごろ、家で始めました。
いまは週7日、バックランジをやっています。道具もいらず、家でもできる運動です。
それでも、疲れ切っていた時期の僕は、家でもやりませんでした。筋トレを完全にやめ、2026年7月に再開した日は、脚の筋肉痛で階段を降りるのがつらいほどでした。
この記事では、まず基礎代謝が上がる大きさを論文の数字で確かめます。そのうえで、僕のやり方、やめてしまったときの話、無理をしないでほしい人の目安までまとめます。読み終えるころには、基礎代謝の数字に期待しすぎず、最初の1セットを試せるはずです。
読む人の状況によって、先に読む章が変わります。
- 「基礎代謝を上げれば痩せる」と期待している人向け:「筋トレで基礎代謝は上がる?」の章へ。期待しすぎて落ち込まずに済みます
- 何から始めればいいか知りたい人向け:「やり方6ステップ」の章へ。道具なしで、今日1セット試せます
- ひざや腰、血圧に不安がある人向け:「無理をしないでください」の章を先に。始める前に相談したほうがいいかが分かります
- 筋トレを一度やめてしまった人向け:「家でもやらなかった」の章へ。休んでも戻ってこられる形を考えるきっかけになります
僕のバックランジ:家で始めて、いまは週7日
僕はバックランジを、2021年ごろから続けています。途中で一度やめましたが、いまは週7日です。
始めたきっかけは、YouTubeで強くすすめられていたこと
2021年ごろ、当時観ていたYouTubeで強くすすめられていたのが、始めたきっかけです。日曜の朝に走っていた時期で、走らない別の日に家でやっていました。そのあとの減量期(2022年4月〜2023年9月)にも続けていました。
痩せたあとの2023年9月から2025年夏ごろまでも、続けていました。
いまのやり方:左右交互に20回を、1日3回
いまのやり方は、次のとおりです。
- 月〜土:職場のジム。全身の筋トレメニュー(約30分)の中に入れる
- 日曜:家で、ヨガマットの上で
- 回数:重りなしで、左右交互に20回(左右合わせて20回)
- 入れ方:1日に3回に分けて入れる(ジムでは、メニューの中に3回)
ジムでは、メニューの1種目めがバックランジです。理由は特になく、昔からの流れです。メニューの組み方(筋トレの合間にHIIT=短い時間に強く動く運動を挟む形)は、筋トレと有酸素運動の順番をまとめた記事に書きました。
この回数と頻度は、僕の体に合わせたものです。おすすめの数字ではありません。僕は運動の専門家ではないので、この記事では回数の目安を示しません。
始めたときも再開したときも、階段を降りるのがつらかった
バックランジを始めたばかりのころ、脚の筋肉痛が3〜4日続きました。2026年7月に筋トレを再開したときも、同じでした。
そのときの様子を、僕の言葉のまま書きます。
「足の筋肉痛で歩けなくなるくらい。特に階段を降りるのが辛い」
始めて数日、脚が筋肉痛になっても、慌てなくて大丈夫です。僕も2回とも、そうでした。ただ、痛みが強いときや長引くときは、医師に相談してください。痛い日に休むか続けるかは、筋肉痛の日に筋トレを休むかどうかの考え方にまとめました。
筋トレで基礎代謝は上がる?数字で見ると小さい
結論から書きます。上がります。ただ、その大きさは「ごはん茶碗1杯ぶん多く食べても平気になる」ほどではありません。
理由は、筋肉そのものが1日に使うエネルギーが、思ったより小さいからです。
筋肉1kgが1日に使うのは、およそ13kcal
体の組織ごとに、1日に使うエネルギーの量は違います。Eliaが1992年に示した値によると、次のとおりです。
- 骨格筋(体を動かす筋肉):1kgあたり1日およそ13kcal
- 脂肪の組織:1kgあたり1日およそ4.5kcal
この値は、その後の研究(Wangら 2010・2012)でも、おおむね当てはまると確かめられています。Wangら 2010の年齢別の値では、50歳を超えると骨格筋は1kgあたり12.6kcalと、わずかに低くなります。
ここから計算すると、筋肉が2kg増えたときに増える安静時の消費は、1日あたりおよそ26kcalです(論文の数値をもとに当ブログで計算)。ごはん茶碗1杯(150g・およそ234kcal)の、9分の1くらいです。
増えた筋肉のぶん脂肪が2kg減って入れ替わった場合は、差し引きでおよそ17kcalまで下がります。
9か月の筋トレで、増えたのは1日平均73kcal
Aristizabalらが2015年に発表した研究では、健康な成人61名が、全身を使う筋トレを96回(およそ9か月間)行いました。3種類の飲み物(ホエイ・大豆のたんぱく質・糖質)のどれかを飲みながらの研究で、飲み物による差はありませんでした。
結果は次のとおりです。
- 安静時の代謝:1日あたり平均1653kcal → 1726kcal
- 増えた量:平均でプラス73kcal(著者によると、平均でおよそ5%の増加)
- 増えた量のばらつき:プラスマイナス158kcal
ばらつきの幅は、平均の2倍以上あります。著者も、人によるばらつきが大きかったと書いています。「誰でも73kcal増える」という話ではありません。
24週間の筋トレで約7%。女性でははっきり増えなかった
Lemmerらが2001年に発表した研究では、20〜30歳と65〜75歳の男女が、24週間の筋トレを行いました。
- 全体:安静時の代謝が約7%増えた
- 男性:約9%増えた
- 女性:意味のある増加は見られなかった
著者は、安静時の代謝の変化は性別の影響を受けるが、年齢の影響は受けない、とまとめています。
40〜64歳の人は、この研究に入っていません。年齢による違いは見られなかったので、40代以上でも上がり方は大きくは変わらない可能性があります。ただ、上がる量は小さく、女性でははっきり増えなかった点も含めて受け止めておくのが現実的だと思います。
数字が小さいと知った僕の受け止め:「それでもやるとやらないでは違う」
基礎代謝が上がる数字は小さい。これを知ったときの僕の受け止めを、僕の言葉のまま書きます。
「それでもやるとやらないでは違う。コツコツやるのが身になるので、気にしません」
僕がバックランジを続けている理由は、基礎代謝の数字ではありません。コツコツ続けた分が身になる、と考えているからです。
40代からバックランジで下半身を鍛える理由
基礎代謝の数字は小さくても、40代以上が下半身を鍛える理由は2つあります。減量中に減る中身と、年齢とともに減る筋肉の場所です。
食事制限だけで痩せると、減るのは脂肪だけではない
減量中の運動には、「減った体重の中身を変える」という役割があると報告されています。
Weinheimerらが2010年に発表したレビュー(52本の研究をまとめたもの)は、体重が多めの中高年から高齢の人の減量を調べています。減った体重の15%以上が除脂肪量(筋肉など、脂肪以外の重さ)だったのは、次の割合の群でした。
- 食事制限だけの群:81%
- 食事制限に運動を組み合わせた群:39%
この81%と39%は、人の割合ではありません。研究の中のグループ(群)の割合です。また、ここでの運動は主に有酸素運動で、筋トレに限った結果ではありません。
著者は結論で、運動は除脂肪量を保つのに有効な手段だ、としています。この結論は、BMI25を超える50歳以上の男性と閉経後の女性が、ゆるやかな食事制限で体重を落とす場合について書かれています。
この結果から見えるのは、運動を組み合わせる意味は、減る中身にある、ということです。お腹の脂肪がどの順番で落ちるかは、皮下脂肪が落ちる順番と腹筋運動の位置づけにまとめました。
筋肉の量がはっきり減りはじめるのは40代の終わり、主に下半身
下半身から鍛えるのには、年齢に照らした理由があります。
Janssenらが2000年に発表した研究は、18〜88歳の男女468名の骨格筋の量を、全身のMRI(体の断面を撮る検査)で測ったものです。この報告によると、次のとおりでした。
- 体重に対する筋肉の割合:20代のうちから下がりはじめる
- 筋肉の量そのもののはっきりした減少:40代の終わり(50歳前後)まで見られない
- その減少の中身:主に下半身の筋肉が減ることによる
ただしこれは、同じ人を何十年も追いかけた研究ではありません。年齢の違う人どうしを比べた研究なので、時期は目安として受け止めてください。
僕は47歳です。ちょうど、この「40代の終わり」にいます。
サルコペニアは、年をとって筋肉の量や力が落ちた状態のことです。健康長寿ネットの「サルコペニアとは」によると、筋肉や筋力は40歳ごろから少しずつ落ちはじめます。若いころと同じ状態に戻るのは難しいものの、運動と栄養で改善が期待できる、とも説明されています。
バックランジは、太ももとお尻を片足ずつ使う動きです。「40代以降は下半身から」は、理にかなった選び方のひとつだと思います。
上半身を鍛えなくていい、という話ではありません。上半身に何を入れるかは、上半身の種目の並べ方にまとめました。
家でもできる。でも疲れ切った僕は、家でもやらなかった
バックランジは、家でもできます。道具はいらず、ヨガマット1枚ぶんの場所があれば足ります。でも、正直に書きます。疲れ切っていた時期の僕は、家でもやりませんでした。
僕が筋トレから離れた順番は、次のとおりです。
- 2025年夏ごろ:腰痛とテニス肘が出る。休む→再開→また出る、をくり返す
- 2025年10月:休み休みになっていたところに、アルバイト掛け持ちの疲れが重なる。朝起きられなくなり、筋トレを完全にやめる
- 2026年7月:筋トレを再開する
筋トレを完全にやめていた間は、家でもバックランジをやっていません。そのころの僕を、僕の言葉で書きます。
「疲れていて、気力も体力も無くなっていた」
家でできる手段があっても、疲れ切ったときには使えませんでした。筋トレをやめたあとに何が起きたかは、リバウンドの原因をまとめた記事に書いています。
だからいまは、休む日の基準を先に決めて、休んでも戻ってこられる形にしています。基準は、後の「続けるための3つのポイント」に書きました。
一度やめてしまった人も、自分を責めなくて大丈夫です。僕も一度は完全にやめて、2026年7月にまた始めました。
ふつうの強さのバックランジは、有酸素運動の代わりにはならない
ふつうの強さで続けるバックランジは、ジョギングの代わりにはなりません。
理由は、運動の強さが違うからです。強さは「メッツ」という単位で表します。じっと座っているときを1として、その何倍のエネルギーを使うかを示す数字です。
ランジはふつうの強さで3.0〜3.8メッツ、ジョギングは7.5メッツ
運動の強さを一覧にした「2024 Adult Compendium of Physical Activities」で、ランジが例に入っている項目は次の3つです。
- 自重の筋トレ(スクワット・ランジなど)、ふつう:3.0メッツ
- 体操(腕立て伏せ・ランジなど)、ふつうの強さ:3.8メッツ
- 自重の筋トレ、高強度:6.5メッツ
比べる相手として、同じ一覧の走る運動も並べます。
- ジョギング(自分のペース):7.5メッツ
- ゆっくりのランニング(時速6.5km前後):6.5メッツ
ふつうの強さなら、バックランジはジョギングのおよそ半分の強さです。高強度でやれば6.5メッツで、ゆっくりのランニングと同じ数字になります。「代わりにはならない」は、ふつうの強さで続ける場合の話です。
なお、この一覧は19〜59歳の大人を対象にしたものです。60歳以上には、別の一覧があります。
厚労省の「3メッツ以上」に、ぎりぎり数えられる強さ
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、3メッツ以上の身体活動を、次の目安で行うようすすめています。メッツ・時は、メッツ×体を動かした時間です。
- 成人:週23メッツ・時以上(歩行などで1日60分以上、約8,000歩以上に相当)
- 高齢者:週15メッツ・時以上
ふつうの強さのバックランジは3メッツ前後なので、この「3メッツ以上」にぎりぎり数えられる程度です。体を動かす量を増やすなら、歩くことと組み合わせるのが現実的だと思います。
バックランジのやり方6ステップ
やり方はシンプルです。片足を後ろに引いて、腰を下ろして、戻る。これだけです。

- 1. まっすぐ立つ … 足は腰の幅くらいに開き、背すじを伸ばします。手は腰に当てても、胸の前で組んでも構いません。
- 2. 片足を後ろへ大きく引く … 引いた足のつま先は正面に向けたまま、大きめに引きます。歩幅が狭いと窮屈な姿勢になります。
- 3. ひざをゆっくり下ろす … 前のひざが90度くらいになるところまで、後ろのひざは床すれすれまで下ろします。勢いをつけないでください。深く下ろすのがきつければ、ひざに負担がかからない浅めの範囲で構いません。
- 4. 一番下で2秒止める … これは僕のやり方です(理由はこのすぐあとに書きます)。
- 5. 前の足で床を押して元に戻る … 後ろ足で蹴らず、前の足で床を押して立ち上がります。
- 6. 反対の足も同じように … 左右を交互にくり返します。左右合わせて数えるか片足ずつ数えるかを決めておくと、回数がぶれません。
最初はイスの背もたれや壁に手を添えてください。片足で体を支える動きなので、慣れないうちはふらつきます。転ばないことが最優先です。
「一番下で2秒止める」は、YouTubeで知った僕の習慣
4番目の「2秒止める」は、効果が確かめられたコツではありません。僕の習慣です。
始めたのは、YouTubeで「筋肉により効かせるため」と聞いたからです。いまは習慣で続けています。
研究も見ておきます。Schoenfeldらが2015年に、8本の研究をまとめて分析しました。1回の動作が0.5秒から8秒の範囲なら、筋肉の育ち方に差は見られませんでした。ただし、この点をきちんと比べた研究はまだ少ない、と著者も書いています。
つまり、「2秒止めると効果が上がる」とは言えません。僕は習慣で続けているだけなので、止めるかどうかは、やりやすいほうを選んでください。
続けるための3つのポイント:息・姿勢・休む日
やり方より、ここのほうが大事かもしれません。
ポイント1:息を止めない(下ろすときに吸い、戻るときに吐く)
これは、3つの中で唯一、公的な根拠があるポイントです。
健康長寿ネットによると、筋トレは息を止めずに、息を吐きながら行うのが基本とされています。息を止めると体に余計な力が入り、血圧が上がりやすくなるためです。
僕は、狙った筋肉が伸びるときに吸い、縮むときに吐いています。バックランジなら、腰を下ろして前足の太ももが伸びるときに吸い、立ち上がって戻るときに吐きます。
この吸う・吐くのタイミングは、公的な資料で見つけたものではありません。息を止めないための、僕なりの理屈として読んでください。
ポイント2:上体はまっすぐのまま
理由は、腰を丸めないためと、バランスを崩さないためです。
前に倒れこむような姿勢になると、体を支えにくくなり、ふらつきます。頭の上から糸で引っ張られているイメージで、体の軸を立てたまま真下に下ろしてください。
ただし、「上体をまっすぐにすればひざの負担が減る」とは書けません。ランジを調べた研究(Gouletteら 2021)では、むしろ体幹が起きているフロントランジのほうが、ひざのお皿の裏にかかる負荷の立ち上がりが大きかったと報告されています。まっすぐにする理由は、腰とバランスのためです。
ポイント3:休む日の基準を先に決めておく
僕がバックランジを休むのは、次の2つのときだけです。
- 腰やひざが痛いとき
- 脚がだるくて、フォームが定まらないとき
休むことは、やめることとは別です。2025年夏に腰痛が出たときも、休んで、再開して、をくり返しました。
この週7日も、休む日の基準も、僕の体と生活に合わせたものです。公的なガイドがすすめる頻度は、後の章に書きました。
こんな方は無理をしないでください(安全のために)
バックランジは、片足で体重を支えて、ひざを深く曲げる動きです。誰にでもすすめられる運動ではありません。ここは、いちばん飛ばしてほしくない章です。
次にあてはまる方は、始める前に医師や理学療法士に相談してください。
- ひざや腰に痛みがある方、過去にひざ・腰を痛めたことがある方
- 変形性膝関節症と診断されている方
- 血圧が高い方、心臓の病気で治療を受けている方
- 妊娠中の方、めまい・ふらつきがある方

痛みが出たら、その日はそこで終わりにする
「効いている感じ」と「痛み」は別物です。ひざや腰に痛みが出たら、その日はそこで終わりにしてください。次の日も痛みが残るようなら、医師や理学療法士に相談してください。
僕も、腰痛が出ていたときは、バックランジも痛くてやめました。
ひざに不安がある方へ:日本整形外科学会の案内
日本整形外科学会は、変形性膝関節症の保存療法(手術をしない治療)として、大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)を鍛える訓練を挙げています。ひざの筋肉を鍛えること自体は、治療でも行われます。
ただし同じ案内では、予防として正座を避けることも挙げられています。バックランジも、正座と同じくひざを深く曲げる動きです。ひざに痛みがある方は自己判断せず、整形外科や理学療法士に相談してください。
血圧が高い方は、先に書いた「息を止めない」をとくに守ってください。
回数より頻度:公的なガイドは週2〜3日
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人・高齢者に、筋力トレーニングを週2〜3日行うことをすすめています。
同じガイドの情報シートでは、筋トレの時間が長くなりすぎると逆効果になる可能性も示されています(もとになった研究:Mommaら 2022)。
僕が調べた範囲では、バックランジを紹介している記事の多くは、この「無理をしないでほしい人」に触れていませんでした。効果よりも先に、ここを知っておいてほしいと思っています。
よくある質問
Q. バックランジをすれば痩せますか?
バックランジだけで痩せるとは言えません。ふつうの強さなら3.0〜3.8メッツで、ジョギング(7.5メッツ)のおよそ半分の強さです。体重を減らす土台は食事で、その進め方はカロリー管理を始める4つの手順にまとめています。減量中に運動を組み合わせると除脂肪量が減りにくかった、という報告はあります(Weinheimerら 2010。運動は主に有酸素運動)。
Q. バックランジで基礎代謝は上がりますか?
平均では上がりますが、大きくはありません。筋肉1kgが1日に使うのは、およそ13kcalです。9か月の筋トレで安静時の代謝が1日平均73kcal増えたという報告がありますが、人によるばらつきが大きかったことも報告されています。
Q. バックランジは何回やればいいですか?
この記事では、回数の目安は示しません。僕が運動の専門家ではないためです。厚生労働省のガイドが示しているのも、回数ではなく頻度(筋力トレーニングを週2〜3日)です。僕の「左右交互に20回を1日3回」は自分の体に合わせたもので、おすすめの数字ではありません。初めての方は、まず1セット、ひざに負担がかからない範囲で試してみてください。
Q. バックランジは毎日やっていいですか?
公的なガイドがすすめているのは、筋力トレーニングを週2〜3日です。まずはそこから始めてください。僕は週7日やっていますが、腰やひざが痛い日と、脚がだるくてフォームが定まらない日は休みます。これは僕の体と生活に合わせたやり方で、おすすめしているわけではありません。
Q. バックランジとフロントランジ、ひざにやさしいのはどっちですか?
症状のない人の研究では、バックランジのほうが、ひざのお皿の裏(膝蓋大腿関節)にかかる負担が小さかったと報告されています(Gouletteら 2021、女性20名)。別のチームの研究(Parkら 2021、男性15名)でも、ひざの曲がる角度や床から受ける力は、フロントランジのほうが大きいとされています。ただし、ひざに痛みのある人で確かめた研究はまだありません。痛みがある方は、医師や理学療法士に相談してください。
まとめ:数字は小さい。それでも僕が続ける理由
- 筋トレで基礎代謝は上がるが、その大きさは小さい。筋肉1kgで1日およそ13kcal、9か月の筋トレで平均73kcal(ばらつきは平均の2倍以上)
- 40代以上が下半身を鍛える理由は、減量中に減る中身と、年齢とともに主に下半身の筋肉が減ること
- ふつうの強さのバックランジは、ジョギングのおよそ半分の強さ。有酸素運動の代わりにはならない
- やり方は6ステップ。息を止めない、上体はまっすぐ、休む日の基準を決めておく
- 公的なガイドの頻度は週2〜3日。ひざや腰、血圧に不安のある方は、始める前に相談を
「基礎代謝を上げて痩せる」という言葉に期待していた方には、期待外れだったかもしれません。それでも、読んでくださった方に、僕の言葉を贈ります。
「やるとやらないでは確実に差は付きます。自分を信じてコツコツ頑張りましょう!」
ここでの差は、基礎代謝の数字の差ではありません。続けた分の差です。
今日の一歩も、僕の言葉のまま書きます。
「絶対無理せずに、まず1セット。膝に負担がかからない範囲でやってみよう!」
イスの背もたれや壁に手を添えて構いません。体の状態や感じ方には個人差があります。ひざや腰、血圧に不安のある方、持病のある方は、始める前に医師や専門家にご相談ください。
バックランジの次に何を足すかで迷ったら、筋トレ全体の進め方をまとめた入口から見てみてください。
続けている途中で体重が増えたときは、筋トレを始めて体重が増えたときの考え方を先に確かめてください。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。同じように体と向き合う一人として、今日の1セットから一緒に積み上げていけたらうれしいです。
※この記事は、運営者個人の体験と一般的に知られている情報をもとにまとめたものです。効果や感じ方には個人差があり、特定の効果を保証するものではありません。持病のある方・体調に不安のある方は、実践の前に医師などの専門家にご相談ください。詳しくは免責事項をご覧ください。
参考にした情報
日本語で読めるもの
- 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(厚生労働省)
- 筋力トレーニングについて(厚生労働省・身体活動・運動ガイド2023の情報シート)
- レジスタンス運動の効果と方法(健康長寿ネット)
- サルコペニアとは(健康長寿ネット)
- 変形性膝関節症(日本整形外科学会)
英語の論文・データベース
- 運動強度のメッツ一覧:体操・筋トレ(2024 Adult Compendium of Physical Activities)
- 運動強度のメッツ一覧:ランニング(2024 Adult Compendium of Physical Activities)
- 組織別の代謝率(Wang Z ら, Am J Clin Nutr 2010)
- 組織別の代謝率の再現(Wang Z ら, Obesity 2012)
- 9か月の筋トレと安静時代謝の変化(Aristizabal JC ら, Eur J Clin Nutr 2015)
- 24週間の筋トレと安静時代謝(Lemmer JT ら, Med Sci Sports Exerc 2001)
- 減量中の除脂肪量と運動の関係(Weinheimer EM ら, Nutrition Reviews 2010)
- 加齢による骨格筋量の変化(Janssen I ら, J Appl Physiol 2000)
- 動作の速さと筋肥大(Schoenfeld BJ ら, Sports Med 2015)
- フロントランジとバックランジの膝への負荷(Goulette D ら, Phys Ther Sport 2021)
- ランジ動作の比較(Park S ら, Phys Ther Rehabil Sci 2021)








